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2012 年度 実施状況報告書

小学校における数学的モデリングの授業プログラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 24531176
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山形大学

研究代表者

大澤 弘典  山形大学, 大学院教育実践研究科, 教授 (10343071)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードモデリング
研究概要

本研究(平成24年度~平成27年度)の最終的な目的は,小学校算数における数学的モデリングの教材及び授業プログラムを具体的に開発し,その有効性を実践的に明らかにすることである。本年度は研究の1年目であり,小学校での数学的モデリングの授業に係る利点及び問題点の明確にすることを年度の目標として研究を推進した。本年度の研究内容としては,算数・数学教育における喫緊の課題の一つである児童・生徒の論理的思考力(論理を正確に解釈する力や論理を整理された形で記述する力など)の低下(日本数学会,2011他)に注視し,「背理法」に焦点をあてた小学校算数における数学的モデリングに係る教材開発の可能性を模索した。具体的には,小学校における数学的モデリングの授業実施上に係る利点と問題点や背理法の指導に関する先行研究(例えば,大澤,2006;池田,2011)などの文献調査・分析,及び国立大学附属Y小学校6年生を対象にした予備的な実験授業(題材:十字問題,4手ジャンケン問題,ペンローズの三角形問題など)の分析・考察を実施した。その結果,次の(1)~(3)のことを明らかにした。(1)小学校における算数の各領域において,背理法的な説明や証明に係る教材が少なからず内在している。(2)現行の数学カリキュラム上の背理法の取り扱いは高等学校数Iに位置づけられているが,算数の授業において現実場面の問題解決を通した背理法の素地指導(一種のモデリング授業)が可能である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

国内における数学的モデリングに係る先行研究の分析・考察に留まらず,海外における先行研究も視野に入れた研究が望まれるため。

今後の研究の推進方策

今後の研究課題として,本年度の研究を通して得た知見などをもとに,背理法の素地指導として適切な算数カリキュラムモデルの構築を図っていく所存である。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の本調査研究及びこれまでに開発した教材等を踏まえ,小学校5年及び6年における数学的モデリングの教材を開発し授業プログラム(各8時間程度)を作成する。本授業プログラム作成に際して,小学校数学教員(山形大学大学院修了生4名)が研究アシスタントとして本研究に協力する。研究アシスタントとの協議会を週1回定期的に開催し,本授業プログラムの問題点の発見と解消を図る。また,月1回定期開催される山形大学附属学校園共同研究数学部会において本研究の進捗状況を報告発表し,本研究の推進を図る。さらに,本研究の学術的研究としての方向性や妥当性を評価するために,日本数学教育学会や東北数学教育学会等で,本研究の中間発表をする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 背理法の算数教材としての可能性について-小学校におけるモデリング授業の基礎研究として-2013

    • 著者名/発表者名
      大澤弘典・信夫智彰・佐藤智
    • 雑誌名

      東北数学教育学会年報

      巻: 第44号 ページ: 40-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 算数・数学で「自ら学ぶ力」をどう育てるか2012

    • 著者名/発表者名
      大澤弘典
    • 雑誌名

      教育時評

      巻: No.26 ページ: 16-19

  • [雑誌論文] 数学的活動におけるインパルスとインパクト2012

    • 著者名/発表者名
      大澤弘典
    • 雑誌名

      教育科学数学教育

      巻: 10月号 ページ: 16-17

  • [学会発表] 数学科における有効なICT活用:生徒が主体的に取り組み,数学的な思考力を高める指導の工夫

    • 著者名/発表者名
      鈴木理夫・大澤弘典
    • 学会等名
      東北数学教育学会初夏研究会
    • 発表場所
      飯坂温泉(福島県)
  • [学会発表] 中学校におけるCabriを活用した図形指導例

    • 著者名/発表者名
      鈴木理夫・大澤弘典
    • 学会等名
      T3Japan第16回年会
    • 発表場所
      東京理科大学(東京都)
  • [図書] 新しい教科書と授業改善(主担当部分:生活や社会との関連を重視した算数・数学科の授業改善86-89頁)2012

    • 著者名/発表者名
      学校教育研究所編
    • 総ページ数
      180頁
    • 出版者
      学校図書

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公開日: 2014-07-24  

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