研究課題/領域番号 |
24531177
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
高 吉嬉 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20344781)
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研究分担者 |
國分 麻里 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 准教授 (10566003)
金 ヒョン辰 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10591860)
梅野 正信 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50203584)
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キーワード | 東アジア / 交流史 / 社会科教材 / 国際理解教育 |
研究概要 |
2013年度は、教材開発・授業実践に取り組み、日本と韓国の社会科教育における国際理解の実践を類型化し、歴史分野の共通教材を開発に向けて授業実践を行い、学会発表を行った。 (1) 第3回研究会(2013年7月27~28日):第3回研究会(長野県)を開き、2013年の研究成果と学会発表を通して得られた課題を確認した上で、教材作成の具体的計画を行った。また教材研究のために「浅川伯教・巧兄弟資料館」を見学した。(2) 文献調査と現地調査:研究代表者(高)と研究分担者が個別に実施し、メールなどで意見交換を行った。(3) 研究成果の発表(2013年10月):学会(日本社会科教育学会)での発表を通して、研究成果の発信を積極的に行った。 (4)メールなどを通して研究成果の交換を行いつつ、最終年度に研究成果をまとめて報告書を作成し、その内容を出版することができるように原稿を集めながら検討してきた。例えば、二谷貞夫「古典落語から東アジアの庶民生活を読む」、梅野正信「東アジアがこれから友好な関係を築くために何をしたら良いか話し合おう!」、金ヒョンジン「唐辛子の朝鮮半島への由来と歴史」(韓国文献との比較)、蔡秋英「東アジアの食文化」(箸などの日中韓の食文化比較)、國分麻里「書堂(朝鮮時代)と寺子屋(江戸時代)における庶民の学びの内容および方法の比較」、高吉嬉「二人の巧と韓国-浅川巧と藤本巧―」などが挙げられる。(5) 後述するように、各研究者の活発な研究及び学会の活動があった(「研究発表」、参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、国際理解の視点を踏まえて、中学校社会科教育における東アジア(日本・韓国・中国)交流史の教材を開発することを目的とし、従来のような国家史や政治史・経済史とは異なる、人々の交流を中心とする歴史教材を通して、将来の東アジア地域の平和構築に資する社会科を目指すものである。 この研究目的を踏まえて、二年目である2013年度は上記の「研究実績の概要」で記したように、研究会開催、学会発表、出版に向けた原稿作成など、計画した内容をほとんど順調に実行し、目標を十分進展させてきたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 教材の改善(筑波大学2014年5月):授業実践と学会発表を通して得られた課題を踏まえ,教材の改善を行う。 (2) 授業実践・検討会(韓国2014年8月):改善させた教材を基に、韓国において授業実践を行う。研究責任者分担者の金を中心にビデオ撮影を行う。 (3) 第3回研究会(2014年12月):第3回の研究会(山形大学2014年11月)を開き、2014年の研究成果を通して得られた課題と成果を確認する。 (4) 最終報告書の作成:3年間の成果をまとめた最終報告書の作成を行い、出版に向けてさらに内容や体裁を精査していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度の研究費のうち、責任者(高吉嬉)の研究費から108,654円が残されたが、この金額は今年度の研究活動に使用することになる。 上記の金額を合わせて、2014年度は研究会や授業実践の参観のための旅費、そして教材づくりのために使用する予定である。
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