中等国語科教員育成のためのプログラムとして、「古典力」(すなわち日本の古文・漢文の読解力、書画・演劇への造詣などを初めとする、伝統的日本文化の総合的な知識・能力)育成のために、以下の3点からアプローチした。 1,「古典力」アンケート実施と、調査方法の改良=過去6年に亘って、横浜国立大学教育人間科学部学校教育課程一年次生全員に実施してきたアンケートとその集計・分析・考察・公表を継続した。古典の実力テストの部分を、現代行われている中等古典教育に即した内容に一部改変した。一昨年度後期分と昨年度春期分に関する調査報告は、発表済みである。秋期分に関しては、平成27年度に公表する。 2,今必要な教育内容の提示・教材・授業方法の開発=大学院教育研究科の授業の一環として、古典関係の教科書と指導書の内容を調査した。新指導要領に基づく新しい教科書が、従来のものとどう違うか、またその内容の特色と問題点を様々な角度から検討した。 古典教育デザイン研究会において『源氏物語』『伊勢物語』「能〈井筒〉と『伊勢物語』二三段」『枕草子』『竹取物語』『平家物語』など、初等・中等教育において重要な教材について、担当者による研究発表と参加者による討論を行い、研究誌『古典教育デザイン』を創刊してそこに公開した。 3,複眼で見る能のテクスト開発=2016年12月23日横浜能楽堂〈蝉丸〉、2017年2月21日横浜能楽堂〈綾鼓〉の撮影を行い、三台のハイビジョンカメラで撮影した動画を一画面に編集、動画テキストを作成した。
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