研究課題/領域番号 |
24531190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
荒井 紀子 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90212597)
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研究分担者 |
鈴木 真由子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60241197)
綿引 伴子 金沢大学, 学校教育系, 教授 (90262542)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 / 問題解決学習 / 学力 / シティズンシップ教育 / 批判的リテラシー / パフォーマンス評価 / 授業開発 / 家庭科教育 |
研究概要 |
1.国際会議における情報収集・意見交換と米国調査 ①7月にオーストラリアのメルボルンで開催された国際家政学会に出席し、研究代表者荒井が、東日本大震災と家政学とのかかわりについてのシンポジウムにおいて、特に家庭科教育の問題解決、批判的リテラシーの視点からの発表を行うとともに、市民教育としての家庭科教育をテーマとした研究発表(口頭発表)を行った。また、問題解決学習とその評価方法について、荒井、鈴木、綿引全員で海外研究者との情報収集及び意見交換を行った。②9月末~10月初旬に、米国オハイオ州にて、実践的推論プロセスを含む問題解決学習および評価方法についての情報収集と現地調査を行った。具体的には、米国家庭科の新ナショナルスタンダード、オハイオ州の新スタンダードとその評価方法(パフォーマンス評価)についてオハイオ州立大学のDr. Ruth Dohner氏、Dr. Janet Laster氏にヒアリングを実施し意見交換をした。またThomas Worthington高校およびBellefontaine 高校において授業参観をするとともに両校の家庭科教師Ruth Norris氏、Marybeth Motasem氏、Dr. Ruth Dohner氏へのヒアリングと資料収集を行った。 2.国内調査と研究 小・中・高校で問題解決学習に取り組んでいる家庭科担当教師(小学校2名、中学校2名、高校2名)を対象に問題解決学習およびその評価についてヒアリング調査を行った。 また、小学校(衣生活分野)、中学校(保育、食生活分野)、高校(住生活分野,生活経営分野)で問題解決学習や思考力を育む授業モデル開発を行い、パフォーマンス評価やプロセス評価を試行的に実践した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、研究成果で述べたように海外調査を実施するとともに、国内の家庭科教師のヒアリング調査、授業モデルの開発を開始した。このうち、海外調査は、米国の大学教師や高校教師の協力により、各校2回の訪問とインタビューが可能となり、予想以上に質の高い情報を収集し情報交換をすることができた。 また、国内調査では、文献の収集とともに、国内の教師のヒアリング調査を行ったが、これは当初の計画では実施を明示しなかったことである。分析をすすめるなかで、ヒアリングの重要性が明らかになり、実施することにしたが、聞き取りの中で新たな発見や知見を得ることができ、研究の進展につながった。なお、文献調査についてはまだ収集の途上であり、分析は来年度以降の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
1.海外研究者・実践科の招聘と国際シンポジウム、開催について ①2013年7月に、米国オハイオ州のBellefontaine高校家庭科教師Marybeth Motasem氏、スウェーデン国ウプサラ大学教授のKarin Hjulmeskog氏、同じくスウェーデン国Hogsatra中学校家庭科教師Maria Feldt氏を招聘し、研究代表者、研究分担者が在籍する大阪教育大学、福井大学、金沢大学でシンポジウムや教師、学生対象の講義や会合を開催し、研究交流を行う予定である。 2.海外調査のまとめ ①2012年度に実施した米国オハイオ州における家庭科カリキュラム、教育実態調査の資料を整理し分析するとともに、まとまった結果について順次、学会発表を行う。(オハイオ州高校における実践理論プロセスを活用した家庭科授業/米国家庭科のスタンダード、パフォーマンス評価の動向やオハイオ州の新カリキュラムの分析等)②本科研の研究と関連の深い北欧調査(本科研取得前に実施)の資料を整理し分析し、来年度予定の北欧調査の課題を明らかにする。 3.日本における問題解決学習の開発およびそこでのパフォーマンス評価の実践 ① 中学校食生活分野での問題解決型授業の開発とプロセス評価を試行的に行う。② ヒアリング調査:H24年度に引き続き、国内の小・中・高の家庭科担当教師を対象に、問題解決学習およびその評価についてヒアリング調査を行う。また昨年度実施の家庭科教諭のヒアリング調査の分析とまとめを行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.配分額100万円のうち、研究代表者の荒井に82万円、研究分担者の鈴木に10万円、同じく研究分担者の綿引に8万円を配分する。 2.荒井の82万円配分のうち、本年度夏の外国人2名の招聘費用52万円(航空運賃、国内移動交通費、宿泊費)、謝金5万円、荒井本人の国内旅費21万円(東京1泊2日×3回、金沢1泊2日×2回、大阪2泊3日)、本・資料2万円、消耗品2万円を予定。 3.研究分担者鈴木10万円配分の内訳は、国内旅費9.2万円(金沢1泊2日、福井1泊2日、東京1泊2日)消耗品0.8万円、同じく研究分担者綿引8万円配分の内訳は、国内旅費7.2万円(大阪1泊2日、福井1泊2日、大阪日帰り1日)、商法品0.8万円の予定である。
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