研究課題/領域番号 |
24531190
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
荒井 紀子 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (90212597)
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研究分担者 |
鈴木 真由子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60241197)
綿引 伴子 金沢大学, 学校教育系, 教授 (90262542)
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キーワード | 問題解決学習 / 実践的推論プロセス / シティズンシップ / 家庭科教育 / パフォーマンス評価 / プロセス評価 / 授業開発 / 探究 |
研究概要 |
1)海外研究者・実践家の招聘と国際シンポジウム、研究会の開催・研究交流 2013年7月に、スウェーデンのウプサラ大学教授Karin Hjalmeskog氏、ホグサトラ中学校家庭科教師Maria Feldt氏、および米国オハイオ州の高校家庭科教師Marybeth Motasem氏を招聘し、大阪、福井、金沢で国際シンポジウムを開催するとともに研究交流を行った。これらに加えて、大阪教育大学、福井大学においてMarybeth Motasem氏による学生・研究者対象の公開研究会、福井大学附属中学校での授業参観と研究討議を行った。また、Feldt氏、Motasem氏に対して問題解決学習の実際や評価についての聞き取り調査を実施した。 2)海外調査の情報を整理し、その分析結果を学会発表した。 ①「スウェーデンの中学校家庭科における思考を促す食の授業-マリア・フェルド教諭の授業を事例として-」、日本家庭科教育学会2013年度大会、2013.6.29(弘前大学)②「実践的推論プロセスに基づく米国家庭科の授業-地域と連携した「食」の問題解決プロジェクト-」日本家庭科教育学会2013年度例会、2013.12.7(東京学芸大学) 3)日本における問題解決学習の開発・実践とプロセス評価方法の検討を研究代表者、研究分担者が各々所属する大学と研究協力校を中心に実施した。内容は以下の5点である。①福井大学附属中学校において、食生活分野で問題解決型授業を開発・実践 (荒井)、②金沢大学附属中学校において、保育分野で問題解決型授業を開発・実践(綿引)、③金沢大学附属小学校において問題解決型のバッグ製作の授業を実践・分析(綿引)、④大阪教育大学附属小学校において被服分野で問題解決型の授業を実践・分析(鈴木)、⑤福井県立農林高等学校において、住生活分野で問題解決型授業を開発・実践(荒井)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、研究成果で述べたように本研究テーマに関わる外国人研究・教育者を招聘し、国際シンポジウムや研究会を大阪、福井、金沢で開催した。全体で、のべ200人以上の参加を得て活発な討議がなされ、その様子は大阪教育大学、福井大学のHPにも掲載された。また本年度は、特に問題解決型授業の開発およびプロセス評価方法の検討に力を入れ、福井大学、金沢大学を中心に授業の実践と分析を行った。その実践結果の一部を学会発表すると共に、執筆、出版した。一方、海外調査の資料分析や、国内教員のインタビュウ調査は継続して行い、その一部について学会発表を行ったが、本格的なまとめは次年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
1)海外調査の実施と国際学会での成果発表:2014年度は、スウェーデンを中心とした北欧諸国を訪問し、2011年度に施行された新シラバスにおける家庭科の問題解決型授業と評価方法について、理論的構造と実践の両面から調査する。2013年度の招聘事業におけるシンポジウムや聞き取りから明らかになった点と関連させ、特に消費者市民教育と環境教育の視点から、現場教師や研究者へのヒアリングを実施する(全員)。また、IFHE Council 2014(カナダ、オンタリオ州で7月開催)のシンポジウムに参加し、探究型授業開発について研究成果を発表するとともに、各国の探究型・問題解決型授業やカリキュラムの情報・資料収集を行う。(荒井) 2)海外調査の分析と整理:まず第1に、2012年度に実施した米国オハイオ州調査の資料を整理分析し、論文化する。具体的には、オハイオ州の2つの高校の食物分野とシティズンシップ分野の授業実践について、その実際と評価方法について分析し、まとめる。また米国家庭科のスタンダード、パフォーマンス評価の理論と動向について資料の分析と整理を行う。第2に、本年度実施予定の北欧調査で収集する資料の整理・分析を行う。合わせて、すでに実施済みのスウェーデン教員対象のアンケート調査の分析、およびMaria Feldt氏の実践の分析とまとめを行う。 3)日本における問題解決学習の開発およびそこでのパフォーマンス評価の実践:ここでは主に次の3点について取り組む。①中学校住居領域分野での問題解決型授業の実践およびプロセス評価について、学会発表するとともにその内容をまとめる、②金沢大学附属中・高校における問題解決型授業とその評価について分析するとともに文章化する、③小、中、高校家庭科教師のヒアリング調査について、すでに終了した聞き取り調査の結果を整理し、まとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度早々の支出の予定があったため、残金とした。 国際学会での発表登録、参加費の一部として使用する計画である。
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