研究課題/領域番号 |
24531203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪根 健二 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10363178)
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研究分担者 |
吉井 健治 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50279379)
戸田 有一 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ネットいじめ / ケータイ問題 / 指導方略 / 生徒指導 / 視聴覚教材 |
研究概要 |
現場教師が、「ネットいじめ」や「ケータイ問題」にどのような理解があり、それに対する指導方略がどう行われているかについて、質問紙による実態調査を行った。この調査目的は、ネットいじめについての教師の認識と対応、特にいじめが深刻化した場合と、深刻化を食い止めた場合との「教師の理解と指導」の相違点を、量的に明らかにすることである。調査数は、330名(教員)、105名(大学院生)の計435名であり、調査地域は、岡山県、愛媛県、兵庫県、高知県の教員(幼小中高)、本学の大学院生(現職のぞく)である。調査時期は、2012年秋から冬にかけて実施したものである。 この調査では、ネットいじめが従来のいじめよりも厳しいいじめであるという認識をもっている教員が73%存在し、ネット関係の対策の必要性を感じている教員が多いことが分かった。一方で、ネットいじめの指導が可能という教員は、わずか12%しかおらず、38%の教員がネットいじめの手口や手法すら知っていない実態が分かった。なお、ネットいじめの指導経験者は28%程度存在しており、その内3%程度が深刻化したケースであった。 また、2012年度は、教員委員会関係者への面接調査を計画していたが、滋賀県大津市でのいじめ自殺事案が社会問題化し、関西地区の教育委員会担当者に対する面接を行う環境になかったため、次年度以降に持ち越すこととした。 次に、DVD(Web)教材の開発については、市販のDVD教材を入手し、その検討を行った。ここでは、教師へのネットいじめや「ケータイ」問題についての知識提供と対応方略に関する研修プログラムの開発の基礎研究として、その扱いや内容などを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現場教師対象の質問紙調査については、予定通り実施することができ、その結果を検討した。一方で、教育委員会関係者等への面接調査については、滋賀県大津市でのいじめ自殺事案が社会問題化したことから、関西地区の教育委員会への面接調査を実施する環境になかったため、次年度以降に持ち越すこととした。その関係で、本年度に計上していた旅費部分については、DVD(Web)教材開発のために、市販のDVD映像教材を購入し、今後のプログラム開発のための基礎研究と事前準備を前倒して行った。 なお、DVD(Web)教材の開発では、市販のDVD映像教材を参考にして、その構成や内容について検討を重ね、教師へのネットいじめや「ケータイ」問題についての知識提供と対応方略に関する研修プログラムの開発の事前準備を行ったことで、本研究の進捗状況としては、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2012年度に引き続き、教師へのネットいじめや「ケータイ」問題についての知識提供と対応方略に関する研修プログラム案を開発する。ここでは、各地教委の教員研修を活用し、研修内でプログラム試案を提示し、関係者の意見を聴取しながら、教員研修における最適化をめざすこととする。なお、教員研修においては、研修参加者のネットいじめの理解(定義、知識、考え)、対応方略、これまでの経験について調査し、プログラム案の精緻化を図っていく。 なお、意見聴取では、2012年度に実施できなかった実態調査(面接調査)もあわせて行うこととする。ここでは、開発したプログラム案の内容検討を含め、いじめに関する研修等において実施可能かどうかを、研修担当者から評価を得る。あわせて、国内外のネットいじめの先行研究から新たな視座を得るため、ネットいじめの研究者を、国外から招聘し、シンポジウムを開催する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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