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2013 年度 実施状況報告書

ネットいじめや「ケータイ問題」に関する教師の知識の現状把握と指導の改善について

研究課題

研究課題/領域番号 24531203
研究機関鳴門教育大学

研究代表者

阪根 健二  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (10363178)

研究分担者 吉井 健治  鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50279379)
戸田 有一  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70243376)
キーワードいじめ問題 / ネットいじめ / ケータイ問題 / 指導方略 / 生徒指導
研究概要

研究初年度に実施した『現場教師の「ネットいじめ」や「ケータイ問題」の意識と指導』に関する調査では、4割弱の教師が、ネット等の基本的な知識がなく、その手口等も分からないという結果を得た。そこで、ネットいじめ等の指導の前提には、ICT関係の知識や法的な内容等を整理することが必要との検討結果から、2年次には研修資料案の作成と試行を行った。その間、大津市でのいじめ自殺問題が契機となり、「いじめ防止対策推進法」が成立し、その施行にあたって、いじめそのものの対策が急務となった。ここでは(1)道徳教育等の充実、(2)早期発見のための措置、(3)相談体制の整備、(4)インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進が定められた。
こうした経緯から、本研究における「教員への指導方略の最適化」においては、再度いじめ指導の核心を整理し、その上でネットいじめ問題を正確に理解することが必要と判断し、研修資料の組み直しを図った。
研修資料案では、(1)いじめ問題の基本的な知識、(2)いじめ対策の基本(5項目)を経て、(3)ネット等の基本知識、(4)ネットいじめ等の指導という形とした。ここでは、文字、写真、図表、映像を盛り込み、それを各県で実施されるいじめ等の研修で、試行的に実施し、その効果を調査した。研修での調査では、パワーポイントの配付資料に、教員個々が、効果的であると思われる項目にチェックを入れるという方式をとった。
これまでの結果では、映像資料などの視覚資料が高得点であることはいうまでもないが、グラフなどの比較資料も高い位置となっている。この資料の完成と効果測定が最終年度の研究成果となる。
なお、2年次に実施予定であった海外の研究者を招へいして公開シンポジウムを実施する事業は、招へい研究者の急病により、これを最終年度に実施することに変更した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究初年度に実施した『現場教師の「ネットいじめ」や「ケータイ問題」の意識と指導』に関する調査結果を参考に、2年次には研修資料案の作成と試行を行った。その間、大津市でのいじめ自殺問題が契機となり、「いじめ防止対策推進法」が成立したことから、再度いじめ指導の核心を整理し、その上でネットいじめ問題を正確に理解することが適正とあると判断し、研修資料の組み直しを図った。資料作成にあたっては、各地の教育関係者らから聞き取りを行い、それを参考にした。また、映像教材が有効であるという仮定から、市販の映像教材の視聴も行った。
なお、本研究では2年次までに、教育委員会のいじめ対策について、近隣教育委員会事務局への聞き取り調査を実施することとしていたが、いじめ自殺問題が社会問題化したこと、いじめ防止対策推進法の制定などによって、個々の聞き取りの必要がなくなったことや、教育委員会によっては聞き取りが困難な状況であったりしたことから、出張による聞き取り調査を省き、資料作成や研修での試行を重点に取り組むこととした。
作成した研修資料案は、各県で実施されるいじめ等の研修で、試行的に実施し、その効果を調査した。この資料の完成と効果測定が最終年度の研究となるため、現時点では、おおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

最終年度の課題は、「教員への指導方略の最適化」のための研修資料の完成であり、各県で実施されるいじめ等の研修で、試行的に実施し、効果測定を行う予定である。また、2年次に実施予定であった海外の研究者の招へいを、10月上旬に鳴門教育大学において行う。これまで研究についての意見交換を行うとともに、教職員や一般市民対象に、国際フォーラム(公開シンポ)を開催する計画を立てている。

次年度の研究費の使用計画

2年次に実施予定であった海外の研究者を招へいして公開シンポジウムを実施する事業については、招へい研究者の急病により、これを最終年度に実施することに変更した。
2年次に実施予定であった海外の研究者の招へいを、10月上旬に鳴門教育大学において行う。これまで研究についての意見交換を行うとともに、教職員や一般市民対象に、国際フォーラム(公開シンポ)を開催する計画を立てている。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 学事出版2014

    • 著者名/発表者名
      阪根健二
    • 雑誌名

      月刊生徒指導1月号『何のための生徒指導計画か』

      巻: 44 ページ: 18-22

  • [雑誌論文] ネットいじめ研究と対策の国際的動向と展望2013

    • 著者名/発表者名
      戸田有一・青山郁子・金綱知征
    • 雑誌名

      一橋大学<教育と社会>研究

      巻: 23 ページ: 25-35

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ネット問題とネット相談掲示板実践2013

    • 著者名/発表者名
      宮川正文・竹内和雄・青山郁子・戸田有一
    • 雑誌名

      一橋大学<教育と社会>研究

      巻: 23 ページ: 37-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] いじめ研究と学校における予防実践支援2013

    • 著者名/発表者名
      戸田有一
    • 雑誌名

      発達心理学研究

      巻: 24 ページ: 460-470

    • 査読あり
  • [学会発表] 生きる力の育成を支援する教育行政・学校経営のあり方(いじめ・体罰問題)2013

    • 著者名/発表者名
      阪根健二
    • 学会等名
      日本学校教育学会第28回大会 (課題研究)
    • 発表場所
      鳴門教育大学(徳島県鳴門市)
    • 年月日
      20130803-20130804
    • 招待講演
  • [学会発表] いじめをめぐる代弁をかさねる-教育関係者の代弁といじめ自死児の保護者の代弁-

    • 著者名/発表者名
      阪根健二、戸田有一、望月彰
    • 学会等名
      日本質的心理学会(第6回ナラティヴと質的研究会)
    • 発表場所
      京都大学総合研究2号館(京都府京都市)
    • 招待講演
  • [学会発表] Cyber-problems and related factors among adolescents: Addiction, risky behaviours, and delinquency in Japan

    • 著者名/発表者名
      Toda, Y. & Bauman, S.
    • 学会等名
      the 16th European Conference on Developmental Psychology
    • 発表場所
      Lausanne, Switzerland
  • [学会発表] 小学校道徳におけるKiVaプログラムの導入試行実践

    • 著者名/発表者名
      山下雄介・小川剛史・小倉友哉・戸田有一
    • 学会等名
      日本道徳性発達実践学会
    • 発表場所
      香川大学(香川県高松市)
  • [学会発表] いじめ研究と対策実践の現状と課題

    • 著者名/発表者名
      戸田有一
    • 学会等名
      SEL研究会第5回大会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
    • 招待講演
  • [図書] 子安増生・仲真紀子(編著)『こころが育つ環境をつくる 発達心理学からの提言』2014

    • 著者名/発表者名
      戸田有一
    • 総ページ数
      288頁、担当pp. 85-107
    • 出版者
      新曜社
  • [図書] いじめ被害を受けた不登校児童生徒への訪問型支援の取組2014

    • 著者名/発表者名
      山下一夫、吉井健治、小倉正義、古川洋和、生島博之、黒澤良輔、安村直己、青柳寛之、猪井淑子
    • 総ページ数
      16頁
    • 出版者
      鳴門教育大学『いじめ対策等生徒指導推進事業報告書』
  • [図書] 世界の学校予防教育2013

    • 著者名/発表者名
      山崎勝之・戸田有一・渡辺弥生(編著)
    • 総ページ数
      448頁
    • 出版者
      金子書房
  • [図書] 東洋哲学研究所(編)『教育:人間の可能性を信じて 大乗仏教の挑戦8』2013

    • 著者名/発表者名
      戸田有一
    • 総ページ数
      219頁、担当pp. 45-84
    • 出版者
      東洋哲学研究所

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公開日: 2015-05-28  

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