• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

日本のシュタイナー学校における公共的総合的な教育課程と自己評価法の開発と検証

研究課題

研究課題/領域番号 24531209
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

吉田 敦彦  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (20210677)

研究分担者 今井 重孝  青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (80160026)
西平 直  京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90228205)
西村 拓生  奈良女子大学, 文学部, 教授 (10228223)
永田 佳之  聖心女子大学, 文学部, 准教授 (20280513)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード教育学 / シュタイナー学校 / ホリスティック教育 / 公共性 / 総合的学習 / ESD / 国際情報交換 / ニュージーランド
研究概要

研究計画に示した、日本のシュタイナー学校における、[A]自己評価法を組み込んだカリキュラム開発、[B]総合的ESDカリキュラムの公共化、[C]卒業生への追跡調査、[D]オルタナティブ教育機関の公共性研究について、次のような状況に至った。
[A]ニュージーランド(オークランド工科大学、ニイル・ボーランド教授)に加え、スウェーデン(カールシュタッド大学、ボー・ダーリン教授)で既に実施されている学校認証評価に関する資料を収集し、検討する機会を得た(2012年11月)。
[B]ユネスコスクール支援大学を中核に、ユネスコスクール加盟の公教育学校教員ならびに在学生を対象とした研究会を実施した(2012年8月・11月、2013年1月)。また、シュタイナー学校で開発した総合的ESDカリキュラムを公教育関係者と共有し学び合う講座を運営し、共同研究の基盤づくりを行った(2012年4月~2013年2月)。
[C]卒業生調査に関する倫理審査の承認を受け(代表者所属大学院人間社会学研究科・倫理審査委員会)、卒業生を輩出したシュタイナー学校数校との協力体制を構築した。また、初年次より協働関係が確保できている1校の卒業生10名に対し、予備調査を行った(2012年8月)。
[D]全国のシュタイナー学校の連携を組織化し、今後NPO法人立のシュタイナー学校が公的認証を受けていくステップを追跡する足場を固めた(2013年3月)。また、オルタナティブ教育を含む「子どもの多様な学びの機会を保障する法案」制定に関する動向について、運営連絡会に参画したほか、学習会の開催(2012年12月)やシンポジストの登壇(2013年2月)の機会を通して新法制定について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

[A]自己評価法を組み込んだカリキュラム開発については、ニュージーランドのシュタイナー学校が開発した高等学校カリキュラム認証評価の基準を入手することができ、オークランド工科大学のニイル・ボーランド教授の研究支援を得て、その概要を把握することができた。なお、その点について、ニイル教授の紹介で、スウェーデンのシュタイナー学校研究の第1人者であるボー・ダーリン教授との研究交流も開始できた。
[B]ユネスコスクール加盟の公教育学校教員とシュタイナー学校教員とがESDをキーワードに実践交流を行う機会を得た(2012年8月・11月、2013年1月)。また、シュタイナー学校で開発した総合的カリキュラムを、公教育関係者と共有し学び合う研究会を組織化できた(2012年4月~2013年2月)。
[C]卒業生調査に関する倫理審査の承認を受け、シュタイナー学校数校との協力体制を構築した。また、初年次より共同関係が確保できている1校の卒業生に対しては、数回にわたるヒアリングを実施し、この調査の課題を明らかにした。その課題を踏まえ、現在は調査のスケジュールを練り直している。
[D]全国のシュタイナー学校が研究連携していく組織を2013年3月31日に立ち上げ、シュタイナー学校が公的認証を受けていく共同研究を開始した。また「子どもの多様な学びの機会を保障する法案」に関する政策上の論点の整理を進めることができた。
以上のように[A]~[D]の各項目について、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

研究課題[A]については、ニュージーランドの認証評価モデルを参照しつつ、まず高等部レベルの単位認定基準について試案を作成し、PDCAを試行するプロセスに入る(パイロット校・京田辺シュタイナー学校)。
[B]については、シュタイナー学校の総合的ESDカリキュラムを公教育関係者と共有し学び合う講座に加え、その講座を基盤とした研究会を組織・運営する。また、ESD国連10年の総括大会に向けたプロジェクトについても継続し、ユネスコスクールにおける普及・一般化の可能性を探る。
[C]については、昨年実施した1校での予備調査をもとに、質問項目の検証・修正ののち、質的調査の対象を国内3校に拡大して予備調査をさらに進める。
[D]については、昨年12月に実現した研究会を足がかりに、関西地区のオルタナティブ学校の研究会組織を立ち上げ、「登録オルタナティブ教育機関」を事後チェックする第三者認証評価機関のガイドラインづくりに着手して、オルタナティブ教育機関の公共性(公的認証)基準を検討する。

次年度の研究費の使用計画

[A]については、ニュージーランドの認証評価基準の翻訳・改定日本版の制作に関わる費用(人件費・印刷費)。
[B]については、ユネスコESD大会に向けたイベントに参加するための出張旅費。
[C]については、日本各地のシュタイナー学校を横断する研究連携組織構築および卒業生予備調査の実施のための出張旅費。調査結果の資料整理等にあてる人件費。
[D]については、新法制定のための研究会(東京)に参加する出張旅費。関西での研究会展開のための会議費。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] シュタイナー教育に学ぶ2012

    • 著者名/発表者名
      今井重孝
    • 雑誌名

      児童心理

      巻: 2012年9月号 ページ: 107-111

  • [雑誌論文] ESDの実践へと導く四つのアプローチ : 日本におけるグッド・プラクティスからの示唆2012

    • 著者名/発表者名
      永田佳之
    • 雑誌名

      国際理解教育

      巻: 18 ページ: 44-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 臨床の知・科学の知・書物の知-ブラインドウォークの体験から2012

    • 著者名/発表者名
      西平直
    • 雑誌名

      日本仏教教育学研究

      巻: 20 ページ: 7-20

    • 査読あり
  • [雑誌論文] あえてシュタイナーのシラー論を語ってみる――「美と教育」試論への一つの試み2012

    • 著者名/発表者名
      西村拓生
    • 雑誌名

      近代教育フォーラム

      巻: 21 ページ: 45-66

    • 査読あり
  • [学会発表] ポスト3.11の東アジアにおけるESDの課題―国境を越えた若者による放射線測定事業で見られた学習活動の成果と課題―

    • 著者名/発表者名
      永田佳之ほか
    • 学会等名
      日本国際理解教育学会
    • 発表場所
      埼玉大学
  • [学会発表] サステイナビリティといのちの教育―ホリスティック教育の観点から―

    • 著者名/発表者名
      吉田敦彦
    • 学会等名
      東洋大学TIEPh&茨城大学ICAS 共催国際セミナー
    • 発表場所
      東洋大学
    • 招待講演
  • [図書] 「サスティナビリティと教育――ホリスティックなESDの三つ巴モデル」(『ユネスコスクールによるESDの実践 : 教育の新たな可能性を探る 』)2013

    • 著者名/発表者名
      吉田敦彦(秋田市立秋田商業高等学校ビジネス実践・ユネスコスクール班 編)
    • 総ページ数
      194-204
    • 出版者
      アルテ
  • [図書] 「グローバル化時代における〈聖心スピリット〉の涵養:海外スタディツアーの試みを事例に」(『宗教なしで教育はできるのか』)2013

    • 著者名/発表者名
      永田佳之ほか(聖心女子大学キリスト教文化研究所 編)
    • 総ページ数
      211-239
    • 出版者
      春秋社
  • [図書] 『“シュタイナー”『自由の哲学』入門』2012

    • 著者名/発表者名
      今井重孝
    • 総ページ数
      128ページ
    • 出版者
      イザラ書房

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi