研究課題/領域番号 |
24531212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
関根 明伸 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (10364449)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教育学 / 韓国の教育 / 道徳教育 |
研究概要 |
韓国の道徳科は、1973年より教科教育として行われてきたが、「第7次教育課程」(1997)以降ではカリキュラムの改革が急速に進められてきている。しかし、これら韓国における一連の道徳教育のカリキュラム改革の変容過程およびその実態、さらには道徳科教育の本質と今後の方向性に関しては、未だ学問的な究明はなされていない。 そこで本研究では、韓国国家基準カリキュラムの「教育課程」と道徳科教科書を中心に分析することにより、道徳科のカリキュラムに内在する教科原理を明らかにすることを目的とした。具体的には、1997年~2009年の韓国で展開された初等学校および中学校の「道徳科教育課程」および教科書を対象に、近年における改革の動向を分析的に捉え直していくものである。そして韓国道徳科教育の実態と本質、ならびに今後の方向性を明らかにすることで、ひいてはわが国への示唆を得ることを目的とした。 平成24年度は、本研究の調査重点時期と位置付け、「第7次教育課程」(1997年)および「2007改訂教育課程」における初等学校および中学校の「道徳科」に関する文教政策資料、そしてカリキュラム・教科書の一次資料を中心に収集・分析を行った。平成24年6月3日~7日には第一回の韓国調査を実施し、ソウル教育大学のイ・インジェ教授、韓国教育課程評価院のファン・インピョ博士に面会し、近年の政策的な動向について聞き取り調査を実施した。 また研究発表では、平成24年9月18日~22日には中国の北京師範大学での日中道徳教育研究対話集会で「日韓道徳教育カリキュラム比較研究」を研究発表し、平成24年10月26日~28日には鳥取県倉吉市で行われた日本道徳教育学会で、「韓国における宗教教育の動向」を研究発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度は、「第7次教育課程」および「2007年改訂」における初等学校および中学校の「道徳科」に関する文教政策の動向およびカリキュラム・教科書の内容と変容について一次資料の収集と行政関係者や開発関係者からの聞き取り調査を重点目標としていた。 概ね教科書を中心とする資料の収集と関係者に対する聞き取り調査を実施することができたが、しかし本務の都合上により、現地調査を3回予定していたにもかかわらず、実際には一回しか訪韓することができなかったため一次資料に関する資料数は決して十分とはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は研究の2年目にあたり、前年度に引き続き「2009年改訂教育課程」にもとづいたカリキュラムおよび教科書について、一次資料を中心に収集、分析していくとともに、行政関係者および教育現場の現役教師にも聞き取り調査を行っていく予定である。具体的には、6月に第一回目の韓国の現地調査、そして9月に第二回目の韓国現地調査を予定している。 また前年度の成果と現時点での分析結果については、関連の所属学会において随時研究発表を行っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費について、まず「物品費」については現地の2度の調査活動と学会発表等を予定しているために、主に一次資料および二次資料、関連文献の購入や複写等、そしてPCモバイル関連の機器、および消耗品等に執行される。「旅費」は、訪韓調査の際の旅費および研究発表のための関連学会への出席のための費用が執行される。なお、「人件費・謝金」については、韓国調査時における通訳の雇用および資料提供者に対する謝金、そして関連資料の整理等のための学生アルバイトの雇用などに執行する予定である。
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