研究課題/領域番号 |
24531213
|
研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
守屋 誠司 玉川大学, 通信教育部教育学部, 教授 (00210196)
|
研究分担者 |
富永 順一 玉川大学, 教育学部, 教授 (40349204)
中込 雄治 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (90560623)
宮本 俊光 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (20596936)
植野 義明 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (60184959)
|
キーワード | 職業教育 / 中等教育 / 数学教育 |
研究概要 |
代表者の守屋は,実際の高校の数学内容を検討し,高校で実験授業の準備を行った。また,カザフスタンの教育課程やこれまでの研究成果を調べ,小学校より文字式を導入するカリキュラムを提案した。一部は,共同研究者の太田教諭(ノートルダム学院小学校)により実験授業が行われた。 分担者の富永は,文系出身者がほとんどである教育学部学生の入学時の数学能力を調査し,外部検定テストの合格を教職課程履修の条件とするカリキュラムを実施してきた。その結果,学生の学力が向上することを明らかにした。また,2月下旬にドイツを訪問し,ドイツにおける初等教育~中等教育ならびに職業教育にあたる基礎学校・ギムナジウム・職業専門学校について、それぞれ実際の学校現場での数学教育を中心としたカリキュラムの実施内容ならびに実際の授業の実施状況等の視察調査を実施した。 分担者の中込は,ICTを利用した数学教育方法として,図形ソフトを使うと解法を構造的に捉えさせることができる,論証指導での効果的な活用法を示した。また,幾何教材を発展的に扱い文系学生に指導した結果,数学的素養を中等教育で付けさせる方法として応用できることを示した。 分担者の植野は,11月にフランスのリヨンを訪問し,職業学校等の数学の授業を参観し,職業教育の実際を調査した。また,職業学校で使われている数学の教科書を購入し資料収集をした。統計が重視されていることや将来の職業に則したコースに分かれ,職業や生活の場面に関連する題材が使われていることを明らかにした。この他に,認知科学的研究に基づいて,無限,仮分数,素因数分解の各概念について解説されている日本語,英語で書かれた内外の文献を調査し,数学教育の立場から検討し,中等学校での教材開発の方向性を提案した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
24年度11月に,分担者の変更が行われ,フランスの調査研究を本年度に実施したため,教育内容の構築がやや遅れている。しかし,他は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
ドイツでは州により教育システムが違ったり,近年,中等教育のシステムが変更されたりしているので,更なる現地調査が必要である。これら,ドイツ,フランスの職業教育の教科書と実際授業の分析結果をまとめる。そして,日本の中等教育に生かせる教育内容とカリキュラムを再検討,提案する。これを基に,高校の就職希望者や非理系の進学者に対して教育実験を試み,結果を分析する。なお,研究協力者として河崎哲嗣(岐阜大学),二澤喜紀(近畿大学),詫摩京未(立命館宇治中学・高等学校),丹洋一(戸沢中学校),高須敏江(北杜高等学校)を予定している。分析結果のまとめや開発された教育内容・教材等の成果は,数学教育学会やドイツ数学教育学会等で逐次発表する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
代表者の守屋の海外教科書を外国で直接購入にたために物品費が低く抑えられた。また,成果発表のための学会開催地が近くであったため国内旅費が低くなった。分担者の富永は,物品購入を行わなかったため,物品費が残った。分担者の植野は,成果発表のための学会開催地が近くであったため国内旅費が低くなった。 最終年度なので,実験授業打ち合わせや成果発表のために,国内旅費として利用する。
|