研究課題/領域番号 |
24531214
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
森茂 岳雄 中央大学, 文学部, 教授 (30201817)
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研究分担者 |
中山 京子 帝京大学, 教育学部, 教授 (50411103)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 移民学習教材 / ポストコロニアル / 博物館活動 / フォーラム・シアター / 多みんぞくニホン / 在日外国人 |
研究実績の概要 |
本研究は、ポストコロニアルの視点から日系移民学習教材(主に読み物教材)を開発し、それを活用した授業実践を行い、その意義と可能性を検証することを目的としている。3年目である2014年度は、当初次の2点を研究計画とした。①日本への入移民についての文献、博物館調査、②在日外国人へのインタビュー調査。 ①の文献資料については、設備備品費を使用してほぼ主な文献の収集を終えた。博物館調査に関しては、在日外国人に関する展示コーナーを有する国立民族学博物館を数回にわたって訪問し、「多みんぞくニホン」の展示に関わった関係者から話を伺い、資料収集を行った。 ②については、当初の研究計画を変更し、在日外国人へのインタビューではなく、国立民族学博物館の「多みんぞくニホン」の展示場にある外国人の子どものインタビューの映像の中から在日外国人の声を拾ってまとめた。さらに、研究代表者、研究分担者が中心になって日本国際理解教育学会と国立民族学博物館が共催して行っている博学連携教員研修ワークショップにおいて、「多みんぞくニホン」展示場にある外国人の子どものインタビューを活用したドラマ活動(フォーラム・シアター)を行った。 以上の研究計画に加え、これまでに作成した読み物教材、及びそれを活用した学習活動案を、別のプロジェクトとの共同の成果でもある、大津和子編『日韓中でつくる国際理解教育』(明石書店、2014年)に掲載した。また、森茂の大学授業科目「グローバル・スタディーズ」において、ハワイにおける日系人調査を行い、それをもとに日系移民をテーマにした教材づくりを行い、学生の教材づくりの成果を『日系アメリカ人の経験に学ぶーグローバル教育の教材づくりー』(2014年度「グローバル・スタディーズ」報告書、中央大学)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画していた3年目の計画のうち、①の文献資料の収集、及び博物館調査については達成できた。②の在日外国人へのインタビューについては、直接のインタビューを実施することができなかったが、計画を変更し、国立民族学博物館の「多みんぞくニホン」の展示上にある在日外国人の子どものインタビュー映像からその声を資料として収集できた。加えて、そのインタビュー映像を活用して、ドラマ活動をつくる教員研修ワークショップを実施し、そこから読み物教材作成のヒントを得ることができた。さらにこれまでに作成してきた読み物教材とそれを活用した学習活動案を一年前倒しで出版することができた。 研究の副産物として、本研究のテーマである移民学習教材の開発を森茂の大学授業において実施し、その可能性と意義について確かめることもできた。 以上により、本研究は当初の計画より進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前年度に計画していて実施できなかった南米の日系人博物館、移民博物館への調査を行う予定であったが、国立民族学博物館いおけるワークショップの実施や、大学授業におけるハワイ日系人に関するスタディ・ツアーの実施などを行ったため実施できず、繰越金が発生した。次年度の研究費の使途については、繰越金を含め、①旅費として、前年度計画して実施できなかった南米、あるいはオーストラリアの移民関係博物館調査、②これまで作成した読み物教材を活用した授業の実施、検証、③その他、関係者からの専門的知識の提供、資料整理のための人件費として使用する計画である。 尚、来年度研究計画の実施に当たっても、中央大学の研究費も併用する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、当初の研究計画にはなかった国立民族学博物館いおけるワークショップの実施や、大学授業におけるハワイ日系人に関するスタディ・ツアーを実施したため、前年度に計画していた南米調査を行うことができず、繰越金が発生した。また本研究のため、経費の一部として中央大学からの個人研究費も併用したことも繰越金が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
繰越金を含む次年度の研究費の使途については、①旅費として、前年度計画して実施できなかった南米、あるいはオーストラリアの移民関係博物館調査、②これまで作成した読み物教材を活用した授業の実施、検証、③その他、関係者からの専門的知識の提供、資料整理のための人件費として使用する計画である。
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