ESDを基盤とした子どもたちの大陸間交流活動として、地球的課題であり、地域の課題でもある水問題を日本、ブルキナファソ、フランスの子どもたちが各々探究し、水問題解決のためのプロジェクト活動を実施してきた。そして、ESDのカリキュラム開発として、水の学習で学んだことを表現し合う試みをめざしてきた。平成27年11月に開催された東海ブロック国際理解教育研究大会で、「大陸間ミュージカル広場」[Intercontinental Musical Squair]活動を実施した。 この活動は、子どもたちは、水に関する地域での問題を調査し、地球規模での水問題を探究し、訴えたいキーワードを選び、歌詞を作る。その歌詞に専門家が作曲するのである。題名は、歌詞の最後に入れる共通なメッセージ「I love water」とした。3カ国の子どもたちの歌は、国際理解教育研究大会のオープニングで、大勢の参加者の前で発表され、大きな反響を呼んだ。それは、同じメロディーの曲であるが、歌詞のメッセージは、3カ国それぞれの国の水の実態を反映しており、まさに、大陸を越えた学び合いが現れていたからである。 日本の子どもたちの水に対する情緒的で美しい歌詞に対して、フランスの子どもたちは胎内から宇宙まで、過去から未来までの幅広い知的教養と感覚で訴え、そして、ブルキナファソの子どもたちは、水の汚染など水に対する危機意識をダンスと共に強く訴えたのである。 その後のシンポジウムでは、各国の水の実態、水の学習とカリキュラム、指導方法など幅広い視点で、3カ国の報告がなされ、それを元に、会場の参加者と共に協議を行った。 この水の学びを音楽につなげる活動は、先生方にも非常に共感され、さらに名古屋市の行政からも、注目され、名古屋市・音楽あふれるまちづくり事業として、平成28年3月21日に、名古屋港水族館の大プールでの発表会の実施までになった。
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