本研究では、ボールが捕れない原因として「跳んでくるボールへの恐怖心がある。」「ボールの軌道の先読みができずに落下位置に移動できない。」「捕球するためのからだの動かし方や動きの感じがわからない。」の三つを取り上げ、その原因の解消を意図した教材づくりに取り組んだ。 昨年度は、「トンネルコロコロ・キャッチゲーム」「キャッチゲーム」「リングバウンド・キャッチⅠ,Ⅱ」を考案し、その教材を用いた授業実践とその教材の有効性を確認した。 本年度は、上記の教材を用いた実践を運動教室に参加する幼児・児童を対象に実施して、その教材の有効性を確かめた。また、小学教諭や幼稚園教諭に本教材を紹介して、教育現場での活用を促した。 そして、子どもたちにとって最も身近で人気のあるドッジボールの教材価値を、捕球が苦手な児童の立場から再考した。ここでは、捕球が苦手な子どもにとって、ドッジボールは極めて難しい教材であることを指摘した。その上で、「ボールの動きを読んで動く」の課題から「ボールを捕る」課題へと高めて、最終的には「はしごドッジ」が楽しめる単元となるように、本研究で取り組んだ教材を配列したドッジボールの教材配列を提示して、「捕る」動きの指導プログラムとした。
|