研究課題
本研究の目的は,視覚障害者に対して教育を行う際に,言葉での表現が困難な映像情報を伝えるため,映像情報を視覚障害者の持つ情報取得感覚に適合した方法を開発・研究することにある。一般に,視覚障害者と晴眼者の間で映像情報を共有する方法では,触図に代表されるように,触覚を主とした方法が用いられる。ところが,映像の内容を理解させるには,ただ単に,触察させるだけでは不十分で,同時に言葉による説明を個々にする必要がある。そこで,この研究では,新たな触覚フィードバックの最新技術を使用した解決方法の開発を試みることとした。今年度の研究では,当初予定していた最新触覚フィードバックの機能を搭載した市販品デバイスの登場が当初より遅れため,我が国が障害者権利条約に批准し,来年度より障害者差別解消法が施行されることを踏まえ,インクルーシブ教育の推進とそれに伴う教育現場での合理的配慮に焦点を当て,晴眼者と同じ教育環境において図面情報をリアルタイムに的確提示・情報共有する方法の開発を行った。この目標を解決するため,図形情報を教師の指示によって,リアルタイムに学生が図形を理解するのに必要な情報を得られるための教育支援ソフトウェアを作成した。このソフトウェアは,教師側が利用する管理ソフトと授業資料を表示する学生側のクライアントソフト,および,マネージャーとクライアントのネットワークの接続を仲介する配信サービスサーバで構成され,教師の指示によって,瞬時に触図の提示をすることができ,かつ,説明に応じてフォーカスを当てるべきエリアを触覚で認知できる形で提示することができる。このソフトウェアを使用した結果,教師が個々に学生に対応して説明することなく,複数の学生に対して,同時に,情報を共有できるなどの効果を確認できた。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
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