聴覚障害学生のエンパワメントを促進する情報保障のあり方を提案すべく,個々の学生の成長過程を踏まえつつ,以下の実践的検討を行った。1)小型表示端末を用いた情報保障。2)音声認識字幕による英語の情報保障。3)聴覚障害学生自身による情報保障ニーズの検討および発表。4)教育実習における聴覚障害学生の障害認識の変化に関する検討。これらの検討から,①情報保障の「気づき」に応じた支援の導入,②学習権の保障のための充実した情報保障の提供,③就労移行に向けた,学生自らの選択による情報保障の吟味,の各段階にあわせた適切な支援の工夫の重要性が確認された。
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