研究課題/領域番号 |
24531239
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
八島 猛 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 講師 (00590358)
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研究分担者 |
大庭 重治 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (10194276)
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キーワード | 自尊感情 / 発達的傾向 / 横断的調査 / 教育的支援 / 健康障害児 |
研究概要 |
本研究の目的は,通常学校に在籍する慢性疾患のある児童生徒(健康障害児)を対象として,自尊感情の発達傾向とその影響要因を明らかにすること,また,教育実践を通して適切な自尊感情の形成・変容に有効な教育支援方法について検討することである。 そのために,平成25年度は次の4点を行った。①児童生徒の自尊感情の発達や教育支援に関する文献および図書の収集を行い,自尊感情の支援において参考にできる先行研究の内容を整理した。②平成24年度に実施した質問紙による横断的調査の分析結果から,小学校中学年の児童の自尊感情は,小学校高学年と中学生よりも有意に高いことが明らかになった。③自尊感情の発達傾向について縦断的資料を得ることを目的として,平成24年度の調査対象の一部を対象として追跡調査を実施した。④個々の特性に応じた自尊感情の評価方法と教育支援方法について検討するために,研究者の所属する大学の特別支援教育実践研究センターにおいて,健康障害児とその保護者を対象として自尊感情に焦点を当てた発達支援および教育相談の機会(発達支援教室)を設けた(年度内12回実施)。発達支援教室では,先行研究を参考として子どもたち同士および大学院生との交流に基づく活動プログラムを提供し,子どもの自尊感情とその関連要因について質問紙に基づく評価と行動観察を継続して行った。 平成25年度の研究成果は,その一部を第51回日本特殊教育学会においてポスター発表および自主シンポジウムを企画して公表した。また,日本育療学会が主催する第2回小規模研修会のシンポジウムにおいて,話題提供者として公表した。この内容については日本育療学会ホームページに掲載される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は,平成24年度に実施した小学生と中学生を対象とした横断的調査の結果を分析・整理し,その上で,継続的資料を得ための継続的な調査を実施した。しかし,特別支援学校(病弱)を対象とした横断的調査は未実施であり,早急に調査を行う必要がある。 健康障害児を対象とした教育支援については,発達支援教室への参加者が増加し,定期的に活動が行われていることから,ほぼ順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,調査研究については,小学生の自尊感情に関する追跡調査を継続するとともに,特別支援学校(病弱)在籍者を対象とした横断的調査を実施する。健康障害児を対象とした教育支援については,発達支援教室を実施し,自尊感情とその関連要因のデータを継続して収集する。 その上で,研究成果を踏まえ,健康障害児の自尊感情の形成・変容に有効な教育支援方法について提案する予定である。なお,研究成果については,国内の学会において演題発表およびシンポジウムまたはパネルディスカッションを企画して公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
特別支援学校(病弱)を対象とした調査の未実施のため 特別支援学校(病弱)を対象とした調査を実施する。 健康障害児を対象とした教育支援において,教材および記録媒体を購入する。 研究成果を公表するための旅費とする。
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