通常学校に在籍する健康障害児の自尊感情の発達的特徴と教育支援方法を検討することを目的として,調査研究と臨床的研究を実施した。その結果,健康障害児は通常学級の児童生徒よりも自尊感情が低いこと,発達段階の上昇に伴い自分の行動面に対する評価が低下すること,特定の領域に対する重要度評価は発達段階に関わらず変化しにくいことが見出された。結果に基づき,健康障害児における自尊感情の支援において,本人に対して承認的な支援を行うとともに,健康状態や生活環境を考慮しながら,より現実的な目標設定ができるよう支援する必要があることを指摘した。
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