研究課題/領域番号 |
24531262
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京成徳大学 |
研究代表者 |
田村 節子 東京成徳大学, その他部局等, 教授 (40549151)
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研究分担者 |
家近 早苗 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40439005)
石隈 利紀 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 教授 (50232278)
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80282937)
牟田 悦子 成蹊大学, 文学部, 教授 (90276650)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 特別支援教育 / 援助チーム / 学校心理学 / 子ども参加型援助チーム / 子ども・保護者・教師 / コーディネーター / 相互コンサルテーション / コンサルテーション |
研究概要 |
今年度は①~③の研究活動を行った。①当事者の国内外の文献研究を行い発達障害のある子ども(当事者)は周囲の理解の有無に応じて対人関係のもち方が異なることが確認された。海外ではPerson-centered planningやITPミーティングなどが実施されているが子どもの自己決定に関して課題があり、教師や子ども保護者の援助計画への参加意識を究明し、実際のニーズに即したモデル化が課題であることが確認された。発達障害がある子どもの保護者の文献を確認した結果,保護者は子どもに対して不安や葛藤を抱き,教師等に対してはポジティブな感情とネガティブな感情の両方をもつことが確認された。②文献研究結果をもとにインタビュー項目を検討しLD,ADHD等の当事者団体の協力を得て,大人の当事者への回顧法を用いた予備的研究を行った。得られたデータは質的支援ソフトMAXQDAを用い1930のコードが得られ現在分析中である。③子どもが援助チームに参加することへの教師側の心理面の促進要因,阻害要因等を明らかにするために,全国の教師1,097名に対する生徒指導や教員生活に対する悩みのアンケート調査を東書Eネットにて8月に共同で行った。「校内体制(チーム支援)」については小学校28.4%、中学校29.9%、特別支援学校48%、「保護者・地域連携」に対しては小学校35.7%、中学校31%、特別支援学校40%の教師が課題としてあげていた。さらに、課題を解決するために最も不足している思うものとして「教員間の理解・協力」(15.2%)、児童生徒を取り巻く環境の改善(14.5%)が上位としてあげられた。現在、保護者連携や子どもへの援助の悩み等の自由記述を抽出し分析中である。今年度行った一連の研究は子ども参加型援助チームモデルを生成する際の参加者(子ども、教師、保護者)の心理的促進要因と阻害要因を検討する上で重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度までに研究結果と先行研究から「子ども参加型援助チームモデル」の仮説を生成する予定であったが,予定していたよりも研究数が多くなり分析が年度内に終了しなかった。 ただし、分析は近々終了する予定であり、次年度の研究へ速やかに移行できる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は,平成24年度の研究結果と先行研究から「子ども参加型援助チームモデル」の仮説を生成する。昨年度行った研究分析継続も含め下記の6つの研究活動を行う予定である。①大人の発達障害当事者への回顧法を用いたインタビュー調査と分析。 ②子どもが援助チームに参加することへの教師側の心理面の促進要因,阻害要因等を明らかにする。昨年度行った教師への全国調査の分析を継続。③子どもが援助チームに参加することへの保護者の心理面の促進要因,阻害要因等を明らかにする。発達障害のある子どもをもつ保護者に関するインタビュー調査と分析。④子どもを援助チームへ参加させて援助した経験のあるコーディネーターへのインタビュー調査を行い促進要因,阻害要因の検討。⑤研究代表者が活動した援助チームに参加したことがある子ども4名へのインタビュー調査。⑥海外で行われている子ども同席の援助チーム会議に関する文献研究の継続。
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次年度の研究費の使用計画 |
・教師への全国調査の質問紙等の分析を進めるための人件費(アルバイト) ・当事者、およびコーディネーターへのインタビュー調査のための交通費。 ・研究途中経過を発表するためのポスター作成費、交通費、宿泊費等。(国際学会での発表を計画中) ・文献研究を行うための書籍代、文献を取り寄せる費用等。その他文具、トナー等。
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