わが国では学齢期にある人工内耳装用児(以下、CI児)が急増している。しかしながら、今日まで学齢CI児の実態は未解明であった。本研究の第一の主眼は、CI児の教科学力の実態を明らかにすることであった。加えて、第二には、学齢難聴児に適用可能な尺度開発を踏まえ、CI児の学級における機能的アウトカムについて、対照群となる補聴器装用児との比較において検討した。分析の結果、CI児の学力(国語、英語)聴児に比して遅れを示すこと、小学生に比して中学生で遅滞が顕著になることを解明した。機能的アウトカムでは、ろう学校に在籍するCI児の成績が最も高く、通級指導教室を利用する補聴器装用児の成績が最低であった。
|