研究課題/領域番号 |
24531273
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研究機関 | 鳥羽商船高等専門学校 |
研究代表者 |
江崎 修央 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30311038)
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キーワード | 視覚障害者 / 電子カルテ / ペン入力 / タッチタイピング |
研究概要 |
平成25年度は、大きく2つの事柄について研究を進めた。 ひとつめは、「開発中の電子カルテシステムの普及を始めとするIT教育支援」に関して、LMS(Learning Management System)を利用して電子カルテを始めとするITシステムの技術習得のための課題自動提供や学習履歴の管理方法について検討を行った。簡単なプロトタイプを作成した上で、関係学会において成果報告を行った。 ふたつめは、視覚障害者のための情報入力手段としてキーボード入力のタッチタイピング操作について再注目し、東京都視覚障害者生活支援センターと共同で学習システムを開発・評価を行った。これは、タイピング技術の習得に対して自宅においても学習結果をセンターの支援員に自動送信することで、進捗状況の管理や適切なアドバイスが遅れるものである。複数人の利用者に対して実際に運用して、結果をまとめて論文投稿を行った。 また、根幹システムである「電子カルテシステム」についても、国立障害者リハビリテーションセンターにて本格運用を開始し、利用者の要望に応じてシステム改修を逐次実施している。このシステムについても、東京都視覚障害者支援センターでの模擬利用を進めており、普及活動が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究の目的が電子カルテシステムを始めとする視覚障害者向けのITシステムの普及であることから、概ね順調に進んでいる。 当初予定の国立障害者リハビリテーションセンターでの運用はもちろん、東京都視覚障害者生活支援センターでも仮運用が始まっている。 さらに、学習支援システム(LMS)の開発も別途進めており、これらが連動すれば遠隔地にいながら電子カルテシステムおよびICTの基礎技術の習得が可能となる。一方で、遠隔支援可能なタッチタイピング学習ソフトについても開発が完了しており、視覚障害者(中途視覚障害者)向けの包括的な教育体系が整いつつあるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、これまでの研究成果を踏まえて、学習支援システム(LMS)の開発を中心に研究を進める。その上で、国立障害者リハビリテーションセンター、東京都視覚障害者生活支援センターでの電子カルテシステムの導入を更に進めて、利用者が卒業・修了後も利用可能となるような電子カルテシステムのパッケージ化なども実施していく。 タイピングソフトウエアについては、スクリーンリーダーのパッケージソフトとして販売してもらうことやストアアプリとして提供することも視野に入れながら利用促進を図りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
論文投稿時に、関連分野の特集号への掲載を行う方針としたため、掲載時期が2014年度となった。そのため、論文登録料や印刷費(約10万)が次年度に繰越となった。 現在投稿中の論文の登録料、印刷費に使用する。
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