本研究では、鍼・灸・あん摩施術者向けのペン入力を基本とした電子カルテシステムの構築と臨床現場における電子カルテシステム利用のためのカリキュラム策定、全国への普及活動を行うことを目的とした。この電子カルテシステムについて、国立障害者リハビリテーションセンターでの臨床実習現場で利用をおこなった。この実習を通じて、施術の実技だけではなく、電子カルテの操作方法も習得できる教育カリキュラムの策定を実施した。 平成24年度は、埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターでの臨床実習において開発した電子カルテシステムを利用し問診施術録の記録を行った。ここで、利用者の声を参考にシステムの改良することはもちろん、利用方法の習得が可能となるようなカリキュラム構築について検討を行った結果、平成25年度以降に実際の実習において利用されることとなった。 平成25年度は、実習現場での利用フィードバックを元にシステム改修を行いつつ、これらのシステムが実習者自ら学習できるようなLMS(Lerning Management System)の構築にも着手した。LMSはブラウザベースのWEBアプリケーションであるため、ホームページの閲覧やキーボードを用いた情報入力が必須である。そこで、情報機器を扱う上で必須のスキルであるタイピングについても改めて見直し、利用者が自宅で学習した状況を支援者に自動的に送信し、支援者からのフィードバックを受けることが出来るシステム開発も行った。
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