• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

発達障害児への災害時支援に関する研究-東日本大震災の被災体験調査をふまえて-

研究課題

研究課題/領域番号 24531275
研究機関独立行政法人国立特別支援教育総合研究所

研究代表者

梅田 真理  独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育情報部, 総括研究員 (50529138)

研究分担者 渡邉 徹  宮城教育大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (80113885)
鳥居 深雪  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90449976)
キーワード発達障害 / 東日本大震災 / 心のケア / 防災教育
研究概要

本年度は(1)東日本大震災後に発行された防災教育や障害児支援に関する資料及び学校等の防災教育に関する調査結果の収集,(2)教育委員会,保健センター等への聞き取り調査,(3)学校訪問及び学校長,教員への聞き取り調査,(4)研究協力者会議の開催,(5)関連シンポジウムへの参加,に取り組んだ。
1については,仙台市小学校長会でまとめられた「震災後2年間の記録」等の資料,仙台市小学校長会で行った調査結果のデータ等を収集した。2については,仙台市教育委員会教育相談課間山裕康指導主事らから,仙台市の取組として,震災発生後早期に「心のケア緊急支援チーム」を立ち上げ,第1次から第6次まで被害が甚大だった9地域の学校へ派遣,児童生徒の実態把握やケアを行ったこととその効果について話を聞いた。3については,①仙台市立東六番丁小学校,②荒町小学校,③沖野小学校,④鶴が丘小学校,⑤高砂中学校,⑥高森小学校を訪問し,①②では校長より多くの避難者への対応を迫られた学校の状況について話を聞いた。③④⑥の小学校では,特別支援学級担任等から,震災時の障害のある子どもの様子や,震災後の状況について話が聞けた。震災により家庭の状況が変わり保護者の生活や精神状態が不安定になった等の理由から,以前は目立たなかった特徴が顕著になり対応が必要となった子どもがいたとのことであった。
⑤の高砂中学校は津波の被害を受けた学校である。当時からいる生徒指導主任より震災時,その後の1年間の様子について詳しく話を聞いた。4については,今年度は都内にて4回の会議を行った。特殊教育学会での発表を視野に入れ,2年間の成果をまとめること,また,全体のまとめに向け,今後の調査や結果の分析等に向け協議を行った。5については,国際シンポジウム「災害と子どものメンタルヘルス」の東京会場(大手町日経ホール)における会議(2/28,3/1)に参加した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の調査は限られた学校で行ったが,質問紙調査等では得られないより深い聞き取りができたと考える。しかし,まだ結果のまとめが終わっていない部分もあり,結果の検討に至っているのは一部分である。また,仙台市小学校長会が行った,各学校における特別な支援を必要とする児童生徒の被災時の状況及びその後の防災教育の取組に関する質問紙調査の結果が入手できたので,これについては,テキストマイニングソフトを使い,内容の客観的な分析を行っている。分析には着手しているが,詳細な分析にはプラスアルファのソフトウェアが必要であることもわかり,もうしばらく時間がかかる予定である。併せて,昨年度入手した,特別支援学級担任への防災教育に関する質問紙調査に関しても,同様のソフトウェアを使い,内容を分析する予定である。これらについて,本来は今年度中に終了する予定であったが,まだ終了しておらず「遅れている」原因となっている。
また,昨年も述べたように,被災地においては膨大な量のアンケート調査,マスコミ取材が押し寄せており,調査を行った精神保健センター所長からも「アンケートと取材はもういらない」と直接言われた。このような被災地の状況に配慮しつつ,丁寧な聞き取り調査を行う必要があることを研究分担者とも確認をした。

今後の研究の推進方策

今後は,各種調査結果の分析から得られた特徴や傾向を元に,実際に学校で行われている防災教育の中で発達障害のある子どもへの配慮や工夫が,どのような形で行われているのかについて聞き取り調査を進めたい。また,担任等への聞き取り調査から得られた,保護者の状況や環境の変化により,従来は落ち着いていた子どもが不安定な状況になっているということについても,再度学校への聞き取り調査を行い確認していきたい。
これらのことをふまえ,本研究の目的である「発達障害児の小中学校における災害後の教育活動の在り方」や「防災教育の在り方」について検討したい。

次年度の研究費の使用計画

今年度,旅費,会議費,謝金の他に,統計ソフトウェアやそれを使用するためのPCを購入したが,文具等特に購入する必要がなかったため,上記の金額が次年度使用額として残った。
研究のまとめを作成するにあたり,用紙やファイル等の購入が必要となるため,文具の購入費として当てたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 発達障害児の災害時支援に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      梅田 真理,鳥居深雪,渡辺徹
    • 学会等名
      日本特殊教育学会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      20140920-20140922

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi