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2012 年度 実施状況報告書

構成的逆ガロア問題の数論

研究課題

研究課題/領域番号 24540011
研究種目

基盤研究(C)

研究機関電気通信大学

研究代表者

木田 雅成  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (20272057)

研究分担者 大野 真裕  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (70277820)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードガロア理論 / 生成多項式
研究概要

本年度は研究実施計画に従い,二つの課題について研究を行った.
第一の課題は代数的トーラスに付随するクンマー理論のガロア加群としての構造の研究である.最も基本的であると考えられる基礎体が標数0の局所体の場合に,ヒルベルト記号との関連を調べた.基礎体上 tamely ramified の
ときは,ヒルベルト記号のペアリングがトーラスのクンマー理論と局所類体論のペアリングを誘導しないことがわかった.wildly ramified なときは,ヒルベルト記号の明示公式との関連がありそうなことがわかってきたが,まだ成果と呼べるものにはいたっていない.
もう一つの課題は生成多項式の数論的な性質の研究である.こちらは Lehmer の五次多項式について研究を進めた.この五次多項式が既約になるための条件を,実数解の分布から導くことを研究した.弱い条件は得られたが,まだ改良の余地のある結果である.この課題の数論幾何学的な側面を考察するために何度かセミナーを行った.
これらとは別に巡回拡大や二面体群をガロア群をもつ拡大の構成に使われるチェビシェフ多項式の研究も行い,新しい線形漸化式を見つけることができた.他の直交多項式とガロア拡大の関連についても研究を進めた.
また計算代数ソフトウェアである Magma に関する研究集会を共同で開催し,計算機を活用した研究についての知見を深めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計算代数ソフトウェアである Magma に関する研究集会の開催などに関しては,予定通りに進めることができた.しかし,当初の予定では,新規に高速な計算機を導入して,さまざまな計算実験をおこないつつ研究を進める予定であったが,年度の途中で別の大学に移籍することが決まり,新年度に研究がスムーズにつながることを重視し,備品等の購入を抑制することになった.この移籍の準備や,仕事の引き継ぎなど,研究以外の仕事に多くの時間を割かなくてはいけない状況になり,研究集会などの参加も当初予定した通りにはできなかった.これらの要因により,当初の予定より研究の進捗は若干遅れ気味である.

今後の研究の推進方策

初年度の遅れを取り戻すために,移籍先の大学での研究環境を早期に整備することを最優先事項とする.計算機の購入や,移管できなかった図書の整備などがこれにあたる.
今年度,研究した二つの課題については研究方針を詳細化することによって,公表できる結果にまで改良したいと考えている.そのために,国内外の研究集会に参加し,研究発表や研究打ち合わせ,情報収集,ディスカッションなどを積極的に行う.またできるだけ早い時期にセミナー等を開催することによって,周辺の研究者との交流,共同研究も立ち上げていきたいと考えている.

次年度の研究費の使用計画

上にも書いたように,移転先の大学での研究環境を早期に整備することが必要である.そのために計算機,図書などの購入に研究費を使用する.また部分的に得られた結果をフランスで開催される研究集会で発表する予定である.その旅費として本研究費を使用する.国内だけでなく外国の研究者との交流により研究への新しい視点が得られることを目指している.その他に国内の研究集会,学会等への参加のため,京都大学,九州大学,金沢大学などへの出張を予定している.それに加え,情報交換やディスカッションのために,周辺の研究者の招聘などにも本研究費を使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Involutions on generating functions2013

    • 著者名/発表者名
      Masanari Kida and Yuichiro Urata
    • 雑誌名

      Journal of Integer Sequences

      巻: 16 ページ: 29pp

    • 査読あり
  • [学会発表] 巡回多項式族の構成とその数論2012

    • 著者名/発表者名
      木田雅成
    • 学会等名
      埼玉大学談話会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      20121102-20121102
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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