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2013 年度 実施状況報告書

保型表現の分岐成分:局所理論とL特殊値

研究課題

研究課題/領域番号 24540021
研究機関岡山大学

研究代表者

石川 佳弘  岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (50294400)

研究分担者 都築 正男  上智大学, 理工学部, 准教授 (80296946)
安田 正大  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90346065)
高野 啓児  明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40332043)
キーワード保型形式 / 表現論 / ε-因子 / H-周期
研究概要

本研究の目的「リー群の表現に付随する特殊関数研究 及び, そのL-関数への応用」は、
(Loc)前課題でやり残された場合の「分岐L-因子L(s;π)をattainする"良い"特殊関数の探査」,「ε-因子ε(s;π,ψ)と表現πの分岐度合を測る 導手f(π)との関係究明」
(Glo)大域ゼータ積分の研究を通じて、"H-周期" と L-特殊値/留数の関係及び、その解析数論への応用
という大域/局所理論の二つから成り、本年度の計画は、"単純な"ゼータ積分 即ち πがgenericな場合の研究であった。
(Loc)については、昨年度 実Lie群U(2,1)の場合に見つけた 良いホイタッカー関数を更に精査し、"単純な"ゼータ積分のArchimedean成分 と 真の局所L-因子とのズレを決定した。また、下準備として昨年度の Work Shop『H-distinction, L2(G/H) and RLLC』から、高次元化, 一般化に必要な枠組みの模索に取り組んでいる。11月には、このWSを更に発展/継承する形で、白馬整数論WS『球等質空間 G/H 上の調和解析』を組織,開催し、近接研究者と研究討議/情報交換を行った。この白馬WSの折に派生した問題を受け、Test Caseとして ペア(GL(n;E),GL(n;F)),但しE/Fは二次拡大 を取り上げ、3月末のWS『Structure of L2(G/H)』を主催し、比較研究を行った。その成果として、これまでバラバラであった p-進 localな研究とArchimedean localな研究が、Global問題に適する形で 述べることが可能であると分かった。
(Glo)については、上の(Loc)についての結果:「良いホイタッカー関数の定数倍の決定」を用いて、"単純な"ゼータ積分から Harder周期を取り出した。連携研究者 宮内の結果と併せて、幾つかの仮定の下、ユニタリ群U(2,1)のtwisted標準L-関数の特殊値についての有理性を得た。この成果は、1月RIMSに於ける研究集会『保型形式および関連するゼータ関数の研究』で発表報告された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(Loc)パートについては、p-進Lie群上では全く進展がなかった。しかし、Archimedean localでは、予期せぬ成果があがった。11月の白馬整数論WSの折に "p-進 local と Archimedean localでは、研究手法が余りに異なっている"という問題が派生した。これを受けて、3月末に主催したWork Shop『Structure of L2(G/H) --local Galois case--』に於いて、ペア(GL(n;E),GL(n;F)),(但しE/Fは二次拡大)を取り上げ 比較研究を行ったところ、期待よりも良い形の結果を得た。このテストケースについては、実ユニタリ群U(C/R;n)からの Base Change liftが充分手の届くところまで知見が深まってきている。
(Glo)パートについては、L-特殊値について (Loc)パートに関する仮定付きではあるが、一応の成果を達成した。

今後の研究の推進方策

(Loc)部分については、テストケース(GL(n;C),GL(n;R))での研究を完遂させたい。また、テストケースでの成果を、元々の研究対象であったペア(U(2,1),U(1,1))に対して 何処まで成り立つかを調べて行きたい。また、昨年度の(Glo)部分の成果で置いた(Loc)な仮定を除去するために、"単純な"ゼータ積分の"分解素点"上の成分の研究を行いたい。
(Glo)部分については、"単純な"ゼータ積分については 一応の成果を得たが、"高級な"ゼータ積分に対して同様の研究を行うには、基礎となる(Loc)研究が余りにも立ち遅れている。そこで、今年度は"単純な"ゼータ積分についての研究を深化継続することとする。

次年度の研究費の使用計画

8万円は、上智大学の都築氏への分担金である。本人の研究費が潤沢に有ったことと、
石川の旅費で研究打合せ旅費が充分賄えたことから、昨年度当該年度の分担金使用が
無かったため。
都築氏への分担金である8万円は、次年度の研究打合せ旅費で使われる予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 6件)

  • [雑誌論文] Whittaker new vectors for discrete representetions of real Lie group U(2,1)2013

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 雑誌名

      京都大学 数理解析研究所講究録

      巻: 1826 ページ: 18--23

  • [雑誌論文] Explicit t-expansions for the elliptic curve y^2=4(x^3+Ax+B)2013

    • 著者名/発表者名
      Seidai Yasuda
    • 雑誌名

      Proc. Japan Acad. Ser. A Math. Sci.

      巻: 89 ページ: 123--127

    • 査読あり
  • [学会発表] Global motivation:Jacquet's philosophy

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      第一回プレ白馬WS
    • 発表場所
      早稲田大学 教育学部
  • [学会発表] Casselman-Shalika formula for H-distinguished model

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      第一回プレ白馬WS
    • 発表場所
      早稲田大学 教育学部
  • [学会発表] Casselman-Shalika formula for Shalika model

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      第二回プレ白馬WS
    • 発表場所
      上智大学 理工学部
  • [学会発表] Explicit formula for Shalika function

    • 著者名/発表者名
      Yoshi-Hiro Ishikawa
    • 学会等名
      第16回整数論オータムワークショップ
    • 発表場所
      白馬ハイマウントホテル
    • 招待講演
  • [学会発表] On special value of the standard L-function for U(2,1)

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      研究集会「保型形式および関連するゼータ関数の研究」
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] Why real local again now? --Towards Archimedean relative LLC--

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      Work Shop「Structure of L^2(G/H) --local Galois case--
    • 発表場所
      岡山大学理学部
  • [学会発表] Description of GL(n;C)^ by derived functor modules

    • 著者名/発表者名
      石川佳弘
    • 学会等名
      Work Shop「Structure of L^2(G/H) --local Galois case--
    • 発表場所
      岡山大学理学部
  • [学会発表] 有限実多重ゼータ値とp進多重ゼータ値

    • 著者名/発表者名
      安田正大
    • 学会等名
      第20回関西多重ゼータ研究会&第7回多重ゼータ研究集会
    • 発表場所
      九州大学伊都キャンパス
    • 招待講演
  • [学会発表] Relatively cuspidal/discrete/tempered representations for symmetric spaces

    • 著者名/発表者名
      Keiji Takano
    • 学会等名
      第16回整数論オータムワークショップ
    • 発表場所
      白馬ハイマウントホテル
    • 招待講演
  • [学会発表] Relative subrepresentation theorem and some related topics

    • 著者名/発表者名
      Keiji Takano
    • 学会等名
      第16回整数論オータムワークショップ
    • 発表場所
      白馬ハイマウントホテル
    • 招待講演
  • [学会発表] GL(n;F)-distinguished representations of ResE/F GL(n)

    • 著者名/発表者名
      高野啓児
    • 学会等名
      Work Shop「Structure of L^2(G/H) --local Galois case--
    • 発表場所
      岡山大学理学部
  • [学会発表] Harmonic analysis on G/H and Plancherel formula

    • 著者名/発表者名
      Masao Tsuzuki
    • 学会等名
      第16回整数論オータムワークショップ
    • 発表場所
      白馬ハイマウントホテル
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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