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2013 年度 実施状況報告書

エフェクティブなグリーン予想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24540034
研究機関東京大学

研究代表者

宮岡 洋一  東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (50101077)

キーワードヒッグズ束 / 半安定性 / Mehta-Ramanathan 型定理
研究概要

第1のテーマとして、ヒッグズ束の代数的理論を研究した。年度内に得られた主要結果は、2次元以上の射影的多様体上の半安定なヒッグズ束を、十分次数の高い一般の超曲面に制限するとふたたび半安定ヒッグズ束となるという基本的結果(半安定ベクトル束に対する Mehta-Ramanathan 定理の一般化)である(出版準備中)。証明の骨子は、ベクトル束の時と同じく、ヒルベルトスキームの議論である。ヒッグズ束の理論は、微分幾何的手法によることが多いが、この Mehta-Ramanathan 型定理は微分幾何による証明はまだないのではないかと思う。この定理を用いることにより、高次元多様体上の半安定 Higgs 束に関する命題の多くは、曲線上の問題に帰着することができるので、さまざまな状況で幅広い応用が期待できる。特に期待される自然な応用としては、反安定性がテンソル積で保たれるという結果、半安定 Higgs 束に対する Bogomolov 不等式等の基本的結果に対する代数的な証明があり、現在研究中である。
第2のテーマとして、曲面上の曲線の次数に関するエフェクティブな評価にも取り組み、有望なアイデアもいくつか発見したが、決定的な結果に到達することはできなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

目標として掲げた目標のうち、ヒッグズ束の理論の代数化について、順調に研究が進捗し、次年度へと発展する大きな足がかりとなった。

今後の研究の推進方策

現在は、Mehta-Ramanathan 型定理から期待できる結果である、以下の問題を研究している。
1. 半安定ヒッグズ束のテンソル積の反安定性。
2. 半安定ヒッグズ束に対する Bogomolov 不等式。
これらの基本問題を解決することによって、ヒッグズ束についての知見をさらに広げていけるのではないかと考えている。
ヒッグズ束の理論と並行して、曲面上の曲線の研究も平行して継続する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] Semistable Higgs bundles and Bogomolov Inequality

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Miyaoka
    • 学会等名
      Foliations on algebraic varieties
    • 発表場所
      米国 ニューヨーク市
    • 招待講演
  • [学会発表] Canonical degrees of curves on surfaces of general type

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Miyaoka
    • 学会等名
      C.I.M.E.
    • 発表場所
      イタリア Lamezia Terme
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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