研究課題/領域番号 |
24540040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
宮崎 充弘 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90219767)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 不変式論 / サグビー基底 / 高次元配列 |
研究概要 |
研究計画にある通り、研究の開始にあたって、様々な環とそれに対する群作用を、とくにサグビー基底の観点から、調べた。その中で、最近応用数学の分野で注目されている、高次元配列データに対する群作用に、数学的に深いものがあるのではないかということを思うに至った。 行列は、2次元配列データであり、行列に対する群作用は、不変式論の本道であり、多くの研究者によって、研究されている。これを、3次元以上の配列データに拡張した場合、どのような作用や、不変式環が得られるかを、サグビー基底の手法を使って調べたところ、簡単な場合について、一つの結果が得られた。その結果をみると、高次元配列に対する群作用とその不変式は、非常に興味深いものであり、また、この理論は、hyperdeterminant(高次元行列式)の理論や、19世紀以来今日にいたるまで研究されている、古典不変式論とも関係する、奥の深いものであるということがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、研究計画にある通り、様々な環とそれに対する群作用を調べた。その結果、高次元配列とその上の群作用という、他の分野ともつながりの深い魅力的な研究対象を発見することができた。また、その研究には、本研究の主要課題であるサグビー基底が有効に活用できることも分かった。 このような点から、研究はおおむね計画通りに進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
高次元配列データは、データ解析の分野で重要な研究対象であり、その応用は、統計学、物理学などにも広がる、重要なものである。 したがって、平成24年度の本研究において発見した、高次元配列データに対する群作用と、その不変式環に関する事実は、いろいろな分野との関連も予想される、重要なものであると考え、その方向の研究をさらに推し進める。 また、それ以外の群作用、不変式などについても、引き続き調べていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究においては、自分の考えたことを、多くの研究者と直接会ってお話をすることにより、様々なコメントや刺激を受け、それが研究の主要な原動力となった。 平成25年度以降も、その方法により研究を推進することとし、多くの研究者と直接会ってお話し、意見交換、情報交換することを主体に、研究をすすめる。
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