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2012 年度 実施状況報告書

マッカイ対応と導来圏に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24540041
研究種目

基盤研究(C)

研究機関広島大学

研究代表者

石井 亮  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10252420)

研究分担者 島田 伊知朗  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10235616)
木村 俊一  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10284150)
隅広 秀康  広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60068129)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードダイマー模型 / モジュライ空間 / 導来圏 / マッカイ対応 / 国際研究者交流(スペイン)
研究概要

トーラス上のダイマー模型は両立生と呼ばれる条件を満たすとき,3次元ゴレンシュタインアフィントーリック多様体の可換/非可換クレパント解消を定めるなど,よい性質を持っていることがわかっている.任意の凸格子多角形に対して,それを特性多角形とする両立的ダイマー模型が存在することがわかっている.両立的ダイマー模型は,非退化という性質を持つが,非退化だからといって両立的とは限らない.そこで,非退化なダイマー模型が与えられたとき,その特性多角形を保ったまま両立的にできるか,という問題を考察した.Beil氏および植田氏との共同研究において,非退化なダイマー模型からいくつかの辺をうまく取り去ることによって,特性多角形を変えずにダイマー模型を両立的にできる,ということを証明し,プレプリントとして発表した.非退化ダイマー模型は作りやすい一方,両立性というのは強い条件であり,この研究により両立的ダイマー模型の例が容易に作れることが期待される.また,両立的なダイマー模型の定める箙の道代数は,ネター的かつカラビ・ヤウ的であるという良い性質を持っているが,両立生を仮定しないとネター的とはかぎらない.本研究によって,両立的でないダイマー模型の道代数を両立的なダイマー模型の道代数と比べることができ,その性質を調べることができるものと期待している.
群作用を持つダイマー模型については,3次元ゴレンシュタインアフィントーリック多様体への付随する作用について考察した.多角形への作用が位数2の群による裏返し作用の場合,多様体への作用のさせ方は必ずしも多角形への作用から決まらないこと,作用を指定するためにどのようなデータを考えればよいかがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の中で,非退化なダイマー模型からいくつかの辺を取り除いて両立的にできる,という結果を得た.これは,両立的なダイマー模型の存在を示すための役に立ち,特に群作用を持つダイマー模型で両立的なものを作るために役立つと期待できる.また,群作用を持つダイマー模型についての考察も進めており,それまでにわかっていなかったことがいくつか明らかになった.このような結果は研究の目的に合致しており,概ね順調に進展していると判断する.

今後の研究の推進方策

群作用を持つ多角形に対して,群作用を持つ両立的なダイマー模型が構成できるかどうか考え,群作用を持つダイマー模型に関する研究を進める.これは Nolla 氏と連絡を取りながら行う.両立的でないダイマー模型から定まる箙の道代数については,Beil氏,植田氏と打ち合わせながら研究する.また,ダイマー模型の高次元化については,植田氏,Craw氏,Quintero-Velez氏と協力しながら考察し,実験的な計算などを行う.

次年度の研究費の使用計画

Nolla氏,Beil氏,植田氏,Craw氏,Quintero-Velez氏ら各国の研究者と打ち合わせを行うため,旅費を用いる.また,幅広い分野の知識を用いるため,図書を購入する.実験的な計算などのため,必要なら計算機やソフトウェアを購入する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] A note on derived categories of Fermat varieties2013

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishii and Kazushi Ueda
    • 雑誌名

      Derived Categories in Algebraic Geometry Tokyo 2011 (EMS Series of Congress Reports)

      巻: 8 ページ: 103-110

    • DOI

      10.4171/115-1/4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On G/N-Hilb of N-Hilb2013

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishii, Yukari Ito and Alvaro Nolla
    • 雑誌名

      Kyoto J. Math.

      巻: 53 ページ: 91-130

    • DOI

      10.1215/21562261-1966080

    • 査読あり
  • [学会発表] Dimer models and crepant resolutions

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishii
    • 学会等名
      Conference on Resolution of Singularities and the McKay Correspondence
    • 発表場所
      名古屋大学多元数理科学棟
    • 招待講演
  • [学会発表] A remark on derived categories of Fermat varieties

    • 著者名/発表者名
      石井亮
    • 学会等名
      高次元代数幾何の周辺
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] Dimer models and crepant resolutions

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishii
    • 学会等名
      Singularities
    • 発表場所
      Mathematisches Forschungsinstitut Oberwolfach (ドイツ)
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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