研究課題/領域番号 |
24540041
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石井 亮 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10252420)
|
研究分担者 |
島田 伊知朗 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10235616)
木村 俊一 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10284150)
隅広 秀康 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (60068129)
|
キーワード | ダイマー模型 / 非可換クレパント解消 / マッカイ対応 / 国際研究者交流(スペイン) |
研究概要 |
有限群作用をもつダイマー模型について,植田一石氏,Nolla 氏とともに考察した.特に,群作用をもつ格子凸多角形が与えられたとき,対応する群作用つきダイマー模型で両立的なものが構成できるか,という問題について考察した.そのような群作用つきの両立的ダイマー模型が得られれば,トーリック的でない3次元ゴレンシュタイン非商特異点とその非可換クレパント解消の例が得られることになり,重要な問題である. これまでの研究で,群作用を考えない場合には,与えられた凸多角形に対応する両立的ダイマー模型の構成法が得られていた:凸多角形を大きな格子三角形に埋め込み,そこから頂点を一つずつ取り除く(多角形の周及び内部にある格子点のうち,一つの頂点以外の全ての格子点の凸包を取る)という操作を繰り返すと,与えられた多角形を得ることができることに注意する.この操作に対応するダイマー模型の変形を見つけることで,六角形のダイマー模型から出発して与えられた凸多角形に対応する両立的ダイマー模型が構成できる. 本年度の考察により,位数が2,3,または4の回転の生成する群の作用する場合には,同様の方法が有効であることがわかった.一方,鏡映を含む群の場合には,同様の操作は有効でないことが明らかになった.そこで,格子多角形に対応する両立的ダイマー模型の構成法を見直し,既知のものとは異なる直接的な構成法を見いだした.この方法を使うと,格子凸多角形への,鏡映を含む任意の有限群作用に対し,対応する群作用つきダイマー模型で両立的なものが構成できることがわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
群作用を持つダイマー模型に関する研究が大きく進展した.証明の方針は想定したものとは異なるものになってきているが,ダイマー模型の新たな構成法なども見いだすことができ,いろいろなことが明らかになった.このような結果/進展は研究の目的に合致しており,概ね順調に進展していると判断する.
|
今後の研究の推進方策 |
群作用を持つ両立的ダイマー模型の構成について,残っている場合を解決するべく,Nolla 氏,植田氏と研究打ち合わせを行う.また,ダイマー模型の両立化とその応用について,Beil氏,植田氏と研究打ち合わせを行う.また,ダイマー模型を用いた,ADHM構成の拡張について,植田氏と議論する.ダイマー模型の高次元化については,植田氏,Craw氏らとともに,模索を続ける.
|
次年度の研究費の使用計画 |
日程の都合で,計画していた海外出張に行くことができなかった. 海外出張(イギリス)を行う.
|