研究課題/領域番号 |
24540042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
大渕 朗 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (10211111)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 代数曲線 / クリフォード指数 / ブリル=ネーター理論 |
研究概要 |
第10回代数曲線論シンポジウムを2012年12月15日-16日に日本大学理工学部駿河台校舎8号館851教室にて開催した。講演者は10人で代数曲線に関する話題、即ちリーマン面としての幾何学的研究、解析的研究及び有限体上で定義した場合の情報理論への応用のそれぞれの観点から情報交換などを行った。また春井岳の平面代数曲線の自己同形の分類を受けて、一部不明だった場合の計算を宇部高専の三浦敬と共に行った。更に長岡高専の高橋剛と共にガロア点でない点からの射影により得られる射影直線上の被覆のガロア閉包の計算に関して無限系列になっている具体例の計算方法について研究を行い、特に二次被覆の場合に無限系列を作り出す事に成功した。また8月には京都大学数理解析研究所に於いて招待講演として代数曲線上のクリフォード指数の知られている事実及び今後の発展の可能性についての講演などを行いクリフォード指数の有用性に関する情報交換を行った。また米田次良とのワイアシュトラス点に関する共同研究も有理代数曲面上にある場合の計算方法をほぼ確立する事に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①特殊線形系の理論と代数曲線族の理論:加藤崇雄、春井岳と共に結節点を有する場合の研究は最終的な完成を見ていないが、補助となる理論の整備として平面曲線上での様々な結果を得ているためおおむね順調に進展していると言える ②ワイアシュトラス点から決まる半群の研究:有理曲面上にある場合で計算不可能な困難な場合を除くとほぼ手法は確立していると言えるので完成期に入ったと言える。今後はどの様に発展させて行くかが課題である ③ガロア点と代数曲線の自己同型群の関係、④ガロア点を与える自己同型と代数曲線上の特殊線形系の関係::これに関しては 工学院大学の春井岳の結果を経て、宇部高専の三浦敬と長岡高専の高橋剛と共に色々と進展を見ているので順調に進展していると考える ⑤代数曲線符号・暗号の理論:これに関してはゴレイ符号の研究との関連性を基に位数の大きな自己同形を持つ代数曲線(フルヴィッツ曲線など)の研究が有効であると見なしており、現在進行形である。
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今後の研究の推進方策 |
①特殊線形系の理論と代数曲線族の理論:G.Martensによる理論の発展のアイデアの連絡を受けているので、その方針の正当性の評価、また訪日に際しての議論の内容が課題であるが、方針は非常に明快であり、良い進展が期待される ②ワイアシュトラス点から決まる半群の研究:有理曲面上でなくもっと難しい曲面について考える必要があるがどの様な曲面が適切であるかの判断が必要である。何にしても目的は達せされたと言える状況なので、更なる進展に体する議論が必要である。 ③ガロア点と代数曲線の自己同型群の関係、④ガロア点を与える自己同型と代数曲線上の特殊線形系の関係:ガロア点に関しての最近の結果の拡張が必要である ⑤代数曲線符号・暗号の理論:フルヴィッツ曲線はかなり難しい曲線なので、クライン曲線やマクベス曲線などの幾つかの計算結果を更に整備する必要がある
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は第11回代数曲線論シンポジウムを首都大学東京で計画しており、外国からG.Martens(ドイツ),M.Coppens(ベルギー),C.Calvalho(ブラジル),F.Torres(ブラジル)の四名の招聘を計画しており、研究費の多くをその招聘費用に当てる方針である。概算では20万×2名(ドイツ、ベルギー)40万×2名(ブラジル)程度を見込んでいるので昨年の残額と合計することで招聘は可能であると考える。
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