過去10年以上,有限体F上定義された代数多様体のF-有理点の個数について興味を持ち研究を続けてきた.今回終了した研究課題もその一環である.今回は主として射影空間内の超曲面を取り扱い,超曲面のF-有理点の個数について,射影空間の次元,有限体の個数,超曲面の次数,それらのみ依存し,かつ次数に関しては線形な上限を与え,これを elementary bound と名づけた.さらに,射影空間の次元と有限体の個数とを固定したとき,3つの次数について等号をとる例の存在を確認し,射影空間の次元が3のときにはelementary bound を到達する曲面の決定にも成功した.
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