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2014 年度 実施状況報告書

特異多様体上の留数理論とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 24540060
研究機関北海道大学

研究代表者

諏訪 立雄  北海道大学, ー, 名誉教授 (40109418)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2017-03-31
キーワード幾何学 / 複素解析幾何学 / 特性類の局所化 / Alexander 双対性 / 留数 / 特異多様体 / 交叉理論 / 特異葉層構造
研究実績の概要

本研究代表者が展開している特性類の局所化理論は位相幾何学的側面と微分幾何学的側面を持ち, 両者を合わせることにより多くの重要かつ興味深い明示的結果が得られる. 特に Cech-de Rham コホモロジーおよびそれに適合させた Chern-Weil 理論の枠組みで定められる Thom 類は強力で, 局所化された交叉理論で極めて有効である.
1. これに関しイタリア, ローマ大学 F. Bracci, フェッラーラ大学 C. Bisi, 北海道科学大学 伊澤 毅 との共同研究で一般の current に対し局所化された交叉理論を構築した. この応用として次元が相異なるかも知れない多様体間の二つの可微分写像に対し, 大域的, 局所的一致ホモロジー類を定義し, 一般の Lefschetz 型の一致定理を証明した. また一致点集合が部分多様体になる場合に局所的一致ホモロジー類を具体的に求めた. さらにフランス IML J.-P. Brasselet との共同研究で一致点集合が特異点を持つ場合にも局所的一致ホモロジー類の精密な明示的公式を与えた. またこれらを写像が二つ以上ある場合にも拡張した.
2. 上記局所化理論の他の応用として, ブラジル, ミナスジェライス大学の M. Correa との共同研究で Hermitian 特異葉層構造の留数理論を構築している. このために Bott-Chern コホモロジーを局所化理論に適するように精密化した Cech-Bott-Chern コホモロジー理論を展開している. これは特異葉層構造の新しい留数を与え, 特に非 Kaehler 多様体上の特異葉層構造の解明に有効であると期待される.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究代表者が推し進める特性類の局所化理論が, 多くの方面で応用、発展を見ている.

今後の研究の推進方策

前年度までの研究を継続し, さらに次のような課題につき研究を行う:
1. 交叉理論:Chern 類の留数は枠の特異点集合のホモロジー類として定められる. 特異点集合の次元が "期待されたもの" である場合には今までの研究で満足出来る成果が得られ, その結果交叉理論でも交叉の次元が期待されたものである場合には満足出来る結果が得られる. 次に特異点集合, 交叉の次元が大きい場合を考察する.
2. Atiyah 類の局所化:(1) 正則ベクトル束の Atiyah 類の枠による局所化に付随した留数の構造を解明する. これは解析的交叉理論において大変興味深く重要と思われる. (2) 複素解析的 Thom 類を導入しその応用, 特に Dolbeault 複体に対する Lefschetz 不動点の幾何学的な簡明な証明を与える. さらに多様体が特異点を持つ場合への拡張を試みる. これは多変数関数論の深い問題と関わっている.
3. Bott-Chern 類の局所化:これは Hermitian 特異葉層構造の留数理論に有用で, 特に非 Kaehler 多様体上の特異葉層構造の解明に有効であることが期待される. これに関しては既にブラジル, ミナスジェライス大学 M. Correa と共同研究を開始している. さらに Deligne コホモロジーにおける局所化理論を考察する.

次年度使用額が生じた理由

平成27年2月にフランスにおける研究発表, 研究打ち合わせを計画していたが, 体調不良で中止したため.

次年度使用額の使用計画

国内外の研究協力者との研究打ち合わせ等に用いる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Localized intersection of currents and the Lefschetz coincidence point theorem2016

    • 著者名/発表者名
      C. Bisi, F. Bracci, T. Izawa and T. Suwa
    • 雑誌名

      Annali di Matematica Pura ed Applicata

      巻: 195 ページ: 601-621

    • DOI

      10.1007/s10231-015-0480-4

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Perturbation of Baum-Bott residues2015

    • 著者名/発表者名
      F. Bracci and T.Suwa
    • 雑誌名

      Asian J. of Math.

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり
  • [雑誌論文] GSV-indices as residues2014

    • 著者名/発表者名
      T. Suwa
    • 雑誌名

      J. of Singularities

      巻: 9 ページ: 206-218

    • DOI

      10.5427/jsing.2014.9p

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Thom class in localized intersections and the Riemann-Roch2014

    • 著者名/発表者名
      T. Suwa
    • 学会等名
      Workshop on semi-algebraic sets
    • 発表場所
      東京大学(東京都目黒区)
    • 年月日
      2014-05-01
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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