研究課題/領域番号 |
24540062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
鎌田 博行 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00249799)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 四元数CR構造 / ニュートラル計量 |
研究概要 |
交付申請書においては、以下の具体的な研究テーマを設定した: (A)超エルミート曲面のニュートラル版の幾何学 (B)自己双対ニュートラル計量の幾何学 (C)不定値端的ケーラー計量とそのアイソトロピック版の幾何学 (D)四元数CR幾何学 今年度(平成24年度)は、これらのテーマに関連する文献等や先行結果等の情報を収集した。(A)については、ダビドフ・グランチャロフ・ムシュカロフ・ヨトフによる2009年の論文で扱われた井上曲面上の超エルミート構造のニュートラル版に対するある種の変形について考察した。研究の動機づけとなった正定値の場合のボイヤーによるコンパクト超エルミート曲面の分類定理について、最近(2012年)、同じ著者たちによって、そのニュートラル版に関連する結果がアナウンスされ、論文を入手しその内容についての確認作業を行っている。(B)については、ルブラン・メイソン対応と呼ばれるツイスター理論が重要であり、ルブラン・メイソン対応に関わる文献を入手するとともに、国内で行われたセミナー等に参加し、情報の収集を行っているところである。(C)については、今年度は実質的な研究を行っていないが、学会・研究会において情報を集め、擬ケーラー計量の幾何学に関する文献を幾つか入手した。(D)に関しては、納谷氏(名古屋大学・大学院多元数理)と共同で、四元数CR多様体に対するツイスター空間の構成について研究を行っており、超擬凸性の下で存在が保証される標準的な接続(およびその変形)を用いて、近年活発に研究されているビカールによる四元数接触構造と比較しながら、ツイスターCR構造の構成を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究自体については、当初の予想とは異なる状況が生じている箇所があり、そのままの設定では乗り越えることが難しい状況に直面していると思われる。また、研究に対して費やす事ができる物理的時間が当初の予定より少なくなってしまったことも理由の一つとしてあげられるかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに入手した資料や得られた研究成果に加えて、幾何学をはじめとする諸分野で得られている結果のうち本研究に関係する情報等から、本研究テーマに利用できる議論やアイディアがないかどうか検討し、国内外の研究者を訪問・招聘し直接の意見交換を通じて、研究の方向性を確認・調整しながら研究を進めていく。特に、当初の予想とは異なる状況が生じている箇所については、設定を見直ししたり、条件を付加したり緩めたり、あるいは、何か見落としている条件がないかどうか検証しつつ、様々な試みの中から解決の手がかりを探っていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費の主な使用計画は以下のとおりである: 書籍(幾何学関連書籍、解析学関連書籍、数理物理学関連書籍)の購入 国内・海外の研究者訪問・招聘、および学会・研究会・セミナー出席のための旅費等 プリンタ(インクカートリッジ等を含む)の購入 文房具(ノート、筆記具、記憶媒体等)の購入
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