研究課題
特異点を持つ3次元ユークリッド空間内の曲面の微分幾何的特徴を特異点論の手法で調べた。正確にいうと、高さ関数や距離2乗関数を特異曲面に制限しその特異点を調べることにより特異曲面の微分幾何的特徴を表す曲率類似物に注目し、それらの振る舞いを調べた。これらは主にサンパウロ大学サンカルロス校のポストドクトリエルフェロウである長谷川大氏との共同研究である。ホイットニーの傘に対して、ケンドリンク型定理が成り立つかどうかを調べた。これは、平面への射影の臨界値集合の曲率と法曲率とガウス曲率の関係を調べるもので、特異点があるためにそれらの曲率が発散することがあり、取り扱いが難しい。ただ現れる曲率は有理関数かそれに近い関数であるので何とか可能性を列挙し、それらの振る舞いや関連を記述することが出来た。特異点では曲率等の関数の極限を見ることになるのだが、極限の順序交換が成り立たない場合があるので、取扱に十分注意しなければならないのが主な問題点である。これは神戸大学准教授の佐治健太郎氏とサンパウロ大学サンカルロス校のポストドクトリエルフェロウである長谷川大氏との共同研究である。また、ホイットニーの傘より退化した、A単純特異点とよばれる特異点を持つ特異曲面についても、高さ関数や距離2乗関数の制限の特異点型の判定法を得ている。高さ開折や距離2乗開折の普遍性についても長谷川大氏と行った計算結果があり、必要十分な形の判定法を得ている。これについては論文準備中である。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Topics on Real and complex singularities, Proceeding of the fourth Austrarian-Japanese workshop on real and complex singularities.
ページ: 31-49