研究概要 |
本年度はホモロジカリーファイバー結び目のうち,特に2橋結び目になるものについて考察を進めた.この族は全てファイバー結び目になることが知られている.そのため各々の結び目についてモノドロミー写像の写像類がどのような表示をもつか という問題が考えられる.様々な表示方法が考えられるがここでは曲面の基本群の生成元を使った表示方法に注目した.本年度の研究により,特に2橋結び目でかつトーラス結び目であるものについてはその明示的な公式を得た.その他のものについては,それを求めるアルゴリズムを作ることができた.この研究により,ファイバー2橋結び目については組織的にモノドロミー写像の写像類が求められる.本研究内容を2月に群馬大学で行われたトポロジーセミナーにて発表しレビューを受けた. フランス,マルセイユで行われた日仏共同セミナー「Aspects of representation theory in low-dimensional topology」に参加し,低次元トポロジー,特に写像類群に関わる研究について最新情報の収集,討議を行った.日本,フランスの関連する研究を最先端で行っている研究者の集まった密度の濃い有意義な集会であった. Friedl-Vidussiによるねじれアレキサンダー多項式を使った,ホモロジ-シリンダーが曲面×[0,1]の積構造持つための必要十分条件に関わる研究論文を現在勉強中である. 1月14日から17日に東京大学大学院数理科学研究科で行われたThe 9th East Asian School of Knots and Related Topics という研究集会のOrganizing Committee を務めた.
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