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2015 年度 実績報告書

リーマン多様体のコンパクト化とグラフの埋め込み

研究課題

研究課題/領域番号 24540072
研究機関金沢大学

研究代表者

加須栄 篤  金沢大学, 数物科学系, 教授 (40152657)

研究分担者 服部 多恵  石川工業高等専門学校, 一般教育科, 講師 (40569365)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワードリーマン多様体 / ネットワーク / 理想境界 / ディリクレ形式 / ディクレエネルギー有限写像 / ランダムウォーク / スペクトルギャップ / 双曲埋め込み
研究実績の概要

まず、非再帰的ネットワークとその倉持境界を考察し、ランダムウオークの調和境界への収束とディリクレエネルギー有限な写像のランダムウオークに沿う収束を明らかにした。Dirichlet有限関数のトレースを通して、倉持境界の調和測度に関するL2空間に正則Dirichlet形式が定まり、倉持境界の調和部分へのトレースは擬連続となることがわかる。このように正則Dirichlet形式の理論が適用でき、境界とも交わる部分集合の容量、擬連続性などの概念が有効となる。これらは理想境界としての倉持境界の研究の重要性をアピールするものである。 さて、有限部分グラフの倉持境界は自然なグラフ境界と一致するが、有限部分グラフが無限に広がってネットワーク全体を覆いつくす場合に、その有限部分グラフの倉持境界とその上の正則ディクレ形式は、無限ネットワークの倉持境界とその上の正則ディリクレ形式にMoscoの意味で収束することを発見した。上記のランダムウォークの視点からみると、ランダムウォークに沿って倉持境界が収束するといってもよい現象の発見である。この発見はリーマン多様体と拡散過程にも当てはまり、今後の重要な研究課題を提供することが分かった。特に複雑領域のマルチン境界、自然境界、倉持境界の関係解明の問題が明確になった。
また、双曲空間に埋め込まれた有限グラフを考え、双曲空間の幾何的コンパクト化をもとに、埋め込まれた有限グラフ上にある種のポテンシャル関数を導き、これを利用して非線形有効抵抗と高次チーガー定数、およびスペクトルギャップの評価を導いた。よい理想境界の解析の重要性を明示している結果である。
上記の主に線形ネットワークとその倉持境界の理論を、非線形ネットワークにおいても展開することが急務となった。この未完成の理論構築は重要な課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Expandsion constants and hyperbollic embedding of finite graphs2015

    • 著者名/発表者名
      Tae Hattori and Atsushi Kasue
    • 雑誌名

      Mathematika

      巻: 61 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1112/S0025579314000254

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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