研究概要 |
有限群の滑らかな作用がもたらす固定点上の接表現に関して研究をしている. 有限個の固定点をもつ多様体上の群作用において,固定点上の接空間となる実表現は,局所的に,2固定点の作用をもつ球面を利用して,固定点の個数を変えることなく変形できる.2固定点の作用をもつ球面上の接表現に関してはスミス問題として知られていて,2シロー群が正規部分群であるかどうかで様子が異なる.このことはディスク上の作用の研究がそのまま球面上の作用に拡張できないことを示唆している.とはいえ,ディスク上の有限群作用は,多くの情報を与えてくれるはずなので,そのことも踏まえて研究を進めている.さらに,固定点を3つ以上もつ球面を利用すると、固定点の個数を変えることも可能であるため,特に球面上の作用の考察が重要となる. 昨年度に引き続き,一昨年度に得た十分条件を若干修正を加えつつ,コンピュータ Apple MacPro (2.66GHz, 12コア)上にて,ソフトウェア GAP (Groups, Algorithms, Programming - a System for Computational Discrete Algebra), Mathematica を主に用いて,2-群での固定点集合の次元に関する情報を取得して,新たな条件を模索している. 京都大学数理解析研究所で行われたRIMS研究集会「変換群のトポロジーとその周辺」(5月27日~5月30日)や,ポーランドのスウビツェでおこなわれたシンポジューム「Knots, Manifolds, and Group Actions, September」(9月11日~9月14日)において一部結果を紹介した.
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