研究課題/領域番号 |
24540085
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
與倉 昭治 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (60182680)
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研究分担者 |
愛甲 正 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (00192831)
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (40107850)
中岡 宏行 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (90568677)
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キーワード | 相対Grothendieck群 / fiberwise bordism / bivariant theory / Donaldson-Thomas不変量 / motivic特性類 |
研究概要 |
(1)Joerg Schuermann氏との共同研究で、Grothendieck群K_0(V/-) の双変理論版BK(V/-)を構成した。 これは「研究目的」の1番目の研究テーマである。更に自然変換T_y*: K_0 (V/-) -> H_*(-)Q[y] の双変理論版 BT_y_*: BK_0(V/-) -> BH(-)Q[y] を構成した。これは、「研究目的」の2番目の研究テーマである。この研究成果を纏めた論文「Motivic bivariant characteristic classes」がAdvances in Mathematicsに掲載された (Vol.250 (2014), 611-649)。 (2) 2012 年 5 月 にブタペスト(ハンガリー)で開催された AIM (American Institute of Mathematics) Workshop「Motivic Donald son-Thomas theory and singularity theory」に出席し、Vittoria Bussi女史と研究討論後、共同研究することとなった。その結果、自然変換T_y*: K_0 (V/-) -> H_*(-) Q[y]に関するDonaldson-Thomas型の変換等を構成し、また幾つかの問題提起を行った。この研究成果は26ページの論文として纏め, Proceedings of 12th International Workshop on Real and Complex Singularities に掲載されることになった。(現在印刷中) (3)Markus Banagl氏とJoerg Schuermann氏との共同研究で、fiberwise bordismという 概念を 用いて,bordism 理論 が covariant functor の部分となるような bivariant bordism理論が8割程度出来上がり、現在完成させようとしているところである。これは「研究目的」の3番目の研究テーマである。 この理論の興味深い点は、C*-algebra理論で出てくるbivariant KK-理論と深く関係していることである。Fulton-MacPhersonのbivariant理論とC*-algebraにおけるbivariant 理論が関係することを指摘した始めての結果であると思われる。 (4) Cappell氏, Maxim氏, Ohmoto氏, Schuermann氏との共同研究で、Hilbert schemeについての自然変換T_y*: K_0 (V/-) -> H_*(-)Q[y]を考察し、論文はGeometry & Topology 17(2013)に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の「研究目的」では、大きく4つのテーマを挙げた。その4つのうち、2つが達成できた。また、もう1つは、8割程度できていて、最終的な仕上 げをしているという状況である。関連する論文も含めて4編(印刷中を含む)を発表することができた。従って、現在までの達成度としては、「おおむね順調に進展している」と評価してよいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
(1)Markus Banagl氏とJoerg Schuermann氏との共同研究であるfiberwise bordism群の双変理論を完成させ、 さらにConnes の非可換幾何や幾何解析 (geometric analysis) における bivariant K-理論との関係を考察する。 (2)Levine-Morelのalgebraic cobordismの双変理論版を Levine-Pandharipande によるalgebraic cobordismの再構成を基に考察する。 (3)Joerg Schermann氏と共同で構成した双変理論版 BT_y_*: BK_0(V/-) -> BH(-)Q[y]のy=1の場合についてさらに考察し、L- 類の双変理論版BL_*:BOmega(-) ->H_*(-)Qについて検討を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2015年度に開催予定の第2回日仏越特異点シンポジウムが急遽予定変更により、2014年度夏に北海道大学で開催されることになり、海外共同研究者の招聘旅費等に使う必要がでたため。 海外共同研究者であるJoerg Schuermann氏あるいはJean-Paul Brasselet氏の招聘旅費等に使う予定である。
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