研究実績の概要 |
多様体の一連の幾何構造を考え, この研究において擬リーマン幾何構造としてローレンツ多様体を考えた. ワイル共形曲率が消えるときローレンツ共形平坦多様体と呼ばれる. 特にコンパクトローレンツ共形平坦多様体について因果性ベクトル場を持つ場合にどのような基本群を持つかまたそのトポロジーを調べた. リーマン共形平坦多様体とは異なり, ホロノミー群が非コンパクト群 O(n,1)であるため, 一般に展開写像が被覆写像にならず, 一意化に関してそれが一番の難しさになっている[1]. 平成24年度~26年度の研究課題[共形平坦ローレンツ多様体のトポロジーと種々の幾何構造]において, 私は一般的にコンパクトローレンツ多様体を調べることはせず, 幾何学構造と関係させて, Fefferman - ローレンツ多様体 (CR多様体と円周 Sの積に存在するローレンツ構造)を考えた. このFefferman - ローレンツ多様体が共形平坦の場合に光的ベクトル場の存在のもとで分類した[2]. また, ローレンツ平坦多様体(ローレンツ曲率が零)の一般化としてのローレンツ相似多様体(アファイン平坦ローレンツ 多様体の一つ)のトポロジー構造を調べ, リーマン共形平坦多様体の諸結果に対するローレンツ共形平坦多様体への一般化を試みた[3]. [1]Completeness of Lorentz manifolds of constant curvature admitting Killing vector fields", Journal of Differential Geometry, 37 (1993), 569-601. [2]On Conformally Flat Lorentz Parabolic Manifolds", Central European Journal of Mathematics 12(6) (2014), 861-878. [3]Lorentzian similarity manifold", Central European Journal of Mathematics, 10(5) (2012), 1771-1788.
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