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2012 年度 実施状況報告書

結び目の体積予想の研究

研究課題

研究課題/領域番号 24540088
研究種目

基盤研究(C)

研究機関首都大学東京

研究代表者

横田 佳之  首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (40240197)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード結び目 / ジョーンズ多項式 / 体積 / チャーン・サイモンズ不変量 / ライデマイスター・トーション
研究概要

結び目の体積予想とは、結び目のジョーンズ多項式の極限に結び目の補空間の体積が現れる、という予想であり、ジョーンズ多項式に代表される量子不変量と、3次元多様体の幾何構造を結びつける重要な予想です。平成23年度までに行った、ジュネーブ大学のカシャエフ氏・京都大学の大槻氏との共同研究で、交点数が少ない結び目に対しては、予想が成立するための解析的なメカニズムがわかってきたと同時に、結び目のジョーンズ多項式が、結び目の補空間の体積だけでなく、チャーン・サイモンズ不変量、ライデマイスター・トーションなどの重要な幾何的不変量の情報をも含んでいる事実の裏付けがとれました。このうちチャーン・サイモンズ不変量に関しては、平成23年度までの研究で、ジョーンズ多項式の積分表示に現れるポテンシャル関数の臨界値として記述できることを示し、計算が困難だったチャーン・サイモンズ不変量を、結び目の図式から計算する公式を与えました。これは、体積予想の研究の応用として、重要な一歩だと考えています。本年度の研究では、ライデマイスター・トーションをポテンシャル関数プラスアルファで記述する方法を模索し、ライデマイスター・トーションと関係の深い、カスプ・シェイプと呼ばれる幾何的不変量を、ポテンシャル関数のヘッシアンを用いて記述する公式を発見しました。この結果は、平成24年8月にドイツで開催されたワークショップで発表し、その報告集にも掲載されています。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

交点数の少ない結び目に対するジョーンズ多項式の漸近展開が、ライデマイスター・トーションに関する新しい公式を示唆していることに気づいたため、ジョーンズ多項式の積分表示の評価を後まわしにして、ポテンシャル関数のヘッシアンとライデマイスター・トーションの関係の研究に注力したことによります。

今後の研究の推進方策

平成24年度の研究を進めて、ポテンシャル関数のヘッシアンとライデマイスター・トーションの関係を完全に解明し、ライデマイスター・トーションを結び目の図式から計算する公式を与える方針です。これにより、さらに明快な形で結び目の体積予想を拡張することができます。この課題が解決した後、ジョーンズ多項式の積分表示の評価に戻る予定です。

次年度の研究費の使用計画

平成25年5月には、京都大学で研究集会が企画されており、京都大学の大槻氏はもちろん、ジュネーブ大学のカシャエフ氏も来日します。この機会に共同研究の打ち合せを行うことになりますが、主に京都大学・ジュネーブ大学を訪問する旅費として、次年度の研究費を使用する予定です。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] On the cusp shape of hyperbolic knots2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Yokota
    • 雑誌名

      Oberwolfach Reports

      巻: 9 ページ: 47-50

    • DOI

      10.4171/OWR/2012/42

  • [学会発表] On the cusp shape of hyperbolic knots2012

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyuki Yokota
    • 学会等名
      Low-Dimensional Topology and Number Theory
    • 発表場所
      Mathematisches Forschungsinstitut Oberwolfach, Germany
    • 年月日
      20120826-20120901
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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