研究実績の概要 |
1. 石井 敦氏(筑波大学), 大城 佳奈子氏(上智大学)との共同で, 空間グラフ, ハンドル体結び目, 曲面絡み目のねじれAlwxander不変量の研究を行った. 具体的には, (1) 鈴木のシータn曲線と呼ばれる空間グラフの族について, 古典的Alexander不変量が消えるn≡1, 5 (mod 6)の場合に, 補空間の基本群の適当な2次特殊線形群表現に関するねじれAlexanderイデアルが非自明となることを示した. (2) 石井-岸本-森内-鈴木による種数2のハンドル体結び目のテーブルにおいて, 2次特殊線形群表現に関するねじれAlexanderイデアルを計算し, 従来, 更に高次の特殊線形群表現の個数で区別されたハンドル体結び目の組で, ねじれAlexanderイデアルによっても区別できる例があることを確認した. (3) 吉川によるchダイアグラムを用いた曲面絡み目のテーブルにおいて, 2次特殊線形群表現に関するねじれAlexanderイデアルを計算した. これらの成果は, 一般論が確立していない不足度2以上の有限表示群とその線形表現に関するねじれAlexander不変量の応用研究についての萌芽的結果といえる.
2. 韓国・漢陽大学校において2014年10月23, 24日に開催されたワークショップ: The 4th HYU MATH-Workshop: Low Dimensional Topology において, 空間グラフの不変量と結び目内在性及び絡み目内在性の研究に関する60分3コマの連続招待講演を行なった. 長年継続的に行われている, 空間グラフ理論に関する日韓研究交流・情報交換の一環として, 意義のあるものである.
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