研究概要 |
平成25年6月に、H.Fischer(Ball University, U.S.A)による野生的空間の基本群の計算方法に関する講演を行った。氏の方法はcoarse幾何におけるコンパクト化のreminderに現れる複雑な空間の基本群の計算に有効な手段である。この手法を学ぶ機会となった。また同月S.Antonyan (UNAM, Mexico)による連続講演を行った。氏の研究は局所コンパクト群の閉部分群による商群がリー群になる条件を精査するものであり、これはcoarse幾何におけるコンパクト化のreminderの力学系的性質の研究に応用が期待されるものである。 本科研費をもとに第4回早稲田幾何学的トポロジー研究集会(平成25年9月8日~10日)を開催した。出席者は、P.Krupski(University of Wroclaw, Poland), S. Antonyan (UNAM, Mexico), V.Matijevic (University of Split, Croatia),N.Bilan (University of Split, Croatia),V.Valov (Nipissing Univeristy, Canada), J.M. Rodriguez-Sanjurjo (Universidad Complutense de Madrid, Spain), Manuel Aronso Moron (Universidad Complutense de Madrid, Spain), F. R. Ruiz del Portal (Universidad Complutense de Madrid, Spain)らの国外からの参加者15名、国内より15名であった。幾何学的トポロジーの最新の研究結果及び研究動向を活発に議論を行うことができ、有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目標を達成する一つのステップとして「Higson coronaが有限次元である無限次元proper距離空間の存在」を挙げているが、適切な病理的空間を選ふことが重要である。そのため個々の病理的空間の構造、次元論的性質の解明が必要となるが、H. Fishser及びS.Antonyanによる手法が有効であると考えている。両氏の講演を通じ、より深く手法を学び取ることができ、さらに研究交流を図ることができた。今後の進展に期待できる状況になった。 また、第4回早稲田幾何学的トポロジー研究集会を開催することで、coarse幾何学を中心とした幾何学的トポロジーのホットな話題、研究交流を図ることができた。さらに、参加者のV.Valov , J.M. Rodriguez-Sanjurjo, Manuel Aronso Moronらと共同研究へのきっかけをつかむことができた。
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