研究課題/領域番号 |
24540101
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
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キーワード | spinor群 / ケーリー代数 / 概複素構造 / Stiefel多様体 / Grassmann多様体 / 幾何構造 / Clifford algebra |
研究概要 |
1. ケーリー代数内の構造を用いて定義される可符号6次元部分多様体上の概複素構造に関して以下の結果を得た。この可符号6次元部分多様体が7次元球面内の等質な実超曲面として実現されていると仮定したとき、その超曲面上に誘導される概複素構造の自己同型群を決定することを試み、主曲率が3種の場合までの自己同型群を決定することができた。主曲率が2種の場合でも自明でない構造になっていることを指摘した。3種も等質な概複素構造を許容しないことも代数的に示すことができた。 2. 上記の応用として3次元球面3個の直積多様体上に3次ユニタリー群U(3)と1次シンプレチック群Sp(1)の直積を持つ新しい幾何構造を具体的に構成する事が出来た。 3. 純虚ケーリー代数内の曲線のG2-合同類の共同研究か7次元空間に関連したStiefel多様体の G2-軌道分解、及び、8次元空間に関連したStiefel多様体の Spin(7)-軌道分解を与えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ケーリー代数内の構造を用いて定義される可符号6次元部分多様体上の概複素構造に関して以下の結果を得た。この可符号6次元部分多様体が7次元球面内の等質な実超曲面として実現されていると仮定したとき、その超曲面上に誘導される概複素構造の自己同型群を決定することを試み、主曲率が3種の場合までの自己同型群を決定することができた。主曲率が2種の場合でも自明でない構造になっていることを指摘した。3種も等質な概複素構造を許容しないことも代数的に示すことができた点は順調に調べることが出来たが主曲率4種に関してはこれから調べる必要がある。上記の応用として新しい幾何構造を具体的に構成する方法が見いだせる可能性が出て来た。 純虚ケーリー代数内の曲線のG2-合同類の共同研究から7次元空間に関連したStiefel多様体の G2-軌道分解、及び、8次元空間に関連したStiefel多様体の Spin(7)-軌道分解を与えることができた。より一般のSpin表現との関連については多くの問題が含まれている。
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今後の研究の推進方策 |
Spinor群の構成方法の基礎的な部分に問題が潜んでいる事が明確になり、今後の発展が待たれる未知の分野が開けてきた様である。Clifford環の持つ幾何学的構造を多様体上に移植することも可能であり、外微分形式とリーマン幾何学の中間にある構造理論が構築できるのではないかと考えているが、その具体的実現には多くの計算例が必要となる。ケーリー代数やJordan代数も含む形での一般化されたClifford環を用いた幾何学を深く研究する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はブルガリアにおいて研究集会を開催、参加する為の準備金として上記の次年度使用額を本年度分に移行した。 主としてブルガリアにおいて研究集会を開催、参加するための費用として使用する予定である。
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