研究概要 |
例外リー群E_7の分類空間に収束するスペクトル系列のE_2項の代数構造を決定した. これはE_2項に収束するスペクトル系列を構成し, そのスペクトル系列を計算することにより, E_2項の加群構造を決定した. 更にその結果を見てE_2項の関係式を全て見つけ出すことによりE_2項の代数構造を決定できたのである. その結果 Mamoru Mimura and Yuriko Sambe, On the cohomology mod p of the classifying spaces of the exceptional Lie groups, I の中でE_2項の非分解元とされていた元のいくつかが分解元であることを以前に指摘したことがあるが, 今回の計算で残りの非分解元は全て非分解元であることを確認し, それ以外に非分解元が存在しないことを示した. 例外リー群E_8の分類空間に収束するスペクトル系列のE_2項の計算も同様にしてE_2項に収束するスペクトル系列を構成し, 計算を行った. その結果, E_2項の加群構造を決定することが出来, Mimura-Sambe の続編の論文 On the cohomology mod p of the classifying spaces of the exceptional Lie groups, II, III で示されていたE_2項の非分解元が全て非分解元であり, それ以外に存在しないことを確認した. 代数構造に関しては, ほとんどの関係式を既に見つけており, 残りの関係式も近いうちに計算することが出来ると思われる.
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今後の研究の推進方策 |
最初に, 例外リー群E_7やE_8の極大トーラスTの分類空間BTのコホモロジーのWeyl群W(G)による不変式環を計算していく. その結果と分類空間BE_7やBE_8のコホモロジーに収束するスペクトル系列の結果, 基本p群のコホモロジーのWeyl群の不変式環の結果などと比較して分類空間のコホモロジーを計算していく. その計算ではある表現から誘導される特性類やコホモロジー作用素の作用の仕方, 関係式の計算などを同時に行っていく. これはそれらを次数の低いほうから順に計算し, お互いの結果を組み合わせながら行う必要があるからである. その後, それらの結果を用いて例外リー群の旗多様体のMorava K-理論を計算していく予定である. それが計算できれば, その結果と Mamoru Mimura and Tetsu Nishimoto, Hopf algebra structure of Morava K-theory of the exceptional Lie groups で用いた手法を組み合わせることにより, 例外リー群のMorava K-理論のHopf代数構造に関する情報を引き出すことができると予想されるので, そのHopf代数構造を決定しようと考えている.
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