研究課題/領域番号 |
24540112
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
渡辺 秀司 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (90222405)
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研究分担者 |
齋藤 三郎 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (10110397)
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キーワード | 超伝導 / BCSギャップ方程式 / 温度 / 連続性 / 不動点定理 |
研究概要 |
超伝導のBCSギャップ方程式に登場するポテンシャルが定数ではなくてエネルギーの関数になっている場合でも、超伝導を扱う物理学や工学においてはBCSギャップ方程式の解が温度に関して連続な関数であること、さらには温度に関して微分可能な関数であることなどは数学的な証明なしで依然として仮定されたままでした。そこで、温度が十分小さい時には、解が温度に関して連続な関数であることをBanachの不動点定理を応用して証明致しました。この成果を数学解析学の国際的なトップジャーナルの1つであるところのJournal of Mathematical Analysis and Applications誌上にて、またBerlinで開催された国際会議QMath12にても発表致しました。さらに、これと関連する成果も同誌上にて、別個にて発表致しました。さらに、今度は温度が小さくなくある程度大きくてもよい場合において、BCSギャップ方程式の解が温度に関して連続な関数であることを証明致しました。同時に、解が温度に関して単調減少する関数であること、さらには、Lipschitz連続な関数であることも判明致しました。現在はこの成果を論文に纏めつつあります。 ヨーロッパやアメリカでの、この方面における数学的な先行研究では、BCSギャップ方程式の解の温度に関する連続性は数学的な困難さ故に殆んど進展していませんでした。この意味で、私の研究成果は独創的かつ画期的であり、極めて重要です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超伝導のBCSギャップ方程式に登場するポテンシャルが定数ではなくてエネルギーの関数になっている場合において、温度が十分小さい時に、さらには温度がある程度大きい時でも解が温度に関して連続な関数であることを不動点定理を応用して証明できたため。また、この成果を数学解析学の国際的なトップジャーナルの1つにて、またBerlinで開催された国際会議QMath12にても発表したため。さらに、これと関連する成果も上記の誌上にて、別個で発表したため。
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今後の研究の推進方策 |
超伝導のBCSギャップ方程式に登場するポテンシャルが定数ではなくてエネルギーの関数になっている場合において、温度がある程度大きい時でも解が温度に関して連続な関数であることを証明できました。そこで今度は、この温度を超伝導と常伝導とを分ける転移温度(臨界温度)まで拡張可能かを吟味します。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は端数であり、次年度へ振り分けたほうが有効に使用できるため。 得られた研究成果が数学解析学におけるトップジャーナルの1つに掲載されることが決定していますので、その別刷り代金として使用します。また、研究交流のための出張旅費としても使用します。
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