平成25年度は,計算困難な数値計算の種類を調査し,超関数を意識した新しい算法の構築を試みた. 1.計算困難な数値計算の種類を調査 さまざまな分野の人とのコミュニケーションで,二次元のFourier型無限領域振動積分の効率的計算が電波工学や物理工学の分野で必要とされていることがわかった.特にBessel関数を含むようなHankel変換型の多次元積分の例もあった. 2.超関数を意識した新しい算法の構築 二次元のFourier型無限領域振動積分や多次元のHankel変換型の積分は,連続Euler変換による近似超関数による算法が有効である事が前年度の研究で明らかになっている.そこで,いくつかの連続Euler変換を用いる新しい算法を作成した.この算法を計算機に実装する時に問題になるのが,連続Euler変換の重み関数の計算時間である.今後,この重み関数を高速に計算するための方法の考察が必要である.更に,これらの算法と超関数の近似との詳しい関係を考察する予定である.
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