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2014 年度 実施状況報告書

超関数の近似に関する新しい理論の構築と数値計算への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24540122
研究機関京都大学

研究代表者

大浦 拓哉  京都大学, 数理解析研究所, 助教 (50324710)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード超関数 / 数値計算法 / 連続Euler変換
研究実績の概要

平成26年度は,より一般的な近似超関数理論の構築およびその理論によって得られた具体的な算法の効果を評価した.
1. 一般的な近似超関数理論
以前私が提案した,連続Euler変換による超関数近似の一般化を試みた.その結果,ある種の超関数は,特別な重み関数を用いて畳み込みを行うことで,連続関数として近似できることを示した.この近似の意味は,超関数を積分による線形汎関数と見たときに,汎関数の性質が近似されるという意味である.このとき,重み関数を超関数および数値積分公式に応じて適切に選ぶことが重要であり,本年度はこの重み関数と超関数の近似についての考察を行った.その結果,ディラックのδ関数の微積分演算等で得られる超関数に関して,ある条件の下で台形則で高精度近似するときの最適な重み関数の選び方についての方針を立てた.そしてその条件下での,計算に適した重み関数の作成方法を導いた.
2. 計算機での新しい算法の性能評価
超関数に起因する計算困難な数値計算に対する新しい算法の作成を行い,性能評価を行った.対象となる計算は多次元の振動積分と非整数次微分計算に絞って行った.その結果,多次元振動積分に関しては,既存の計算ルーチンを用いる方法と比較して,計算速度は数千倍高速でかつ計算桁数は数倍高精度で計算できることを確認した.一方,非整数次微分計算に関しては,従来の方法と比較して速度に関する優位性は認められなかったが,高精度で計算できることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計算機での新しい算法の性能評価が遅れたため,本年度行う予定だった研究成果の発表が,翌年になった.

今後の研究の推進方策

今後は本研究を応用し,より多くの計算困難な問題の効果的な算法の開発を行う.そして,作成した計算ライブラリをWEB等で公開予定である.

次年度使用額が生じた理由

本研究での新しい算法の性能評価に遅れが生じたため,研究成果の発表等が次年度になった.そのため,未使用の経費が生じた.

次年度使用額の使用計画

本研究で得られた成果を,次年度に北京で開催予定の国際学会(ICIAM)で発表する予定である.そのため,未使用の経費を主に次年度の旅費に当てる予定である.

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公開日: 2016-05-27  

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