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2014 年度 実績報告書

算術の超準モデルと不完全性定理

研究課題

研究課題/領域番号 24540125
研究機関神戸大学

研究代表者

菊池 誠  神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (60273801)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード不完全性定理 / 超準モデル
研究実績の概要

超準モデルについて:T を PA の再帰的な拡張とし,Con(T+Con(T)) を Con^2(T) と書く.M が T の超準モデルであるとき Th(M) を M における T の定理の集合とし,X = {Th(M) : M は T+ Con(T) のモデル} とする.このとき,以下の三つが成り立つことを示した.(1) X は部分集合に関する極大元を持つ.(2) M が X の極大元ならば M は Con^2(T) のモデルである.(3) M が X の極大元でないような T + Con^2(T) のモデル M が存在する.これは倉橋太志氏との共同研究である.
不完全性定理について:T を PA の拡張とする.第一不完全性定理,Rosser の定理,第二不完全性定理はそれぞれ以下のような定理である.(1) T が Σ_1 定義可能で無矛盾なら Π_1 完全でない.(2) T が Σ_1 定義可能で Σ_0 健全なら不完全である.(3) T が Σ_1 定義可能で無矛盾な理論なら T の無矛盾性は T では証明できない.さて,無矛盾性は Σ_0 健全性と同値である.この三つの定理は次の形に一般化できることを示した.(1) T が Σ_n 定義可能で無矛盾なら Π_n 完全でない.(2) T が Σ_n 定義可能で Σ_{n-1} 健全なら T は不完全である.(3) T が Σ_n 定義可能で Σ_{n-1} 健全ならば T の Σ_{n-1} 健全は T では証明できない.これは倉橋太志氏との共同研究である.
哲学的な話題について:完全性定理の哲学的意義や証明概念の形式化,ヒルベルトのプログラムに関わる問題を明らかにした.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Σn 定義可能な算術の不完全性定理2015

    • 著者名/発表者名
      倉橋太志,菊池誠
    • 学会等名
      日本数学会2015年度年会
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパス(東京都・千代田区)
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-22
  • [学会発表] 状況理論としてのチャンネル理論2014

    • 著者名/発表者名
      菊池誠
    • 学会等名
      科学基礎論学会秋の研究例会
    • 発表場所
      東京大学駒場キャンパス(東京都・目黒区)
    • 年月日
      2014-11-01 – 2014-11-01
  • [学会発表] 不完全性定理の構成的性質について2014

    • 著者名/発表者名
      菊池誠,渕野昌
    • 学会等名
      日本数学会2014年度秋季総合分科会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス(広島県・東広島市)
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-27
  • [学会発表] 算術の超準モデルにおける定理と証明について2014

    • 著者名/発表者名
      菊池誠,倉橋太志
    • 学会等名
      日本数学会2014年度秋季総合分科会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス(広島県・東広島市)
    • 年月日
      2014-09-27 – 2014-09-27
  • [図書] 不完全性定理2014

    • 著者名/発表者名
      菊池誠
    • 総ページ数
      368
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2016-06-01  

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