研究課題
平成26年度は、実数全体の部分集合を組合せ論的集合論や記述集合論の観点から調べた。特に、反復強制法などの集合論の洗練された技法を用いることによって、自然数全体の部分集合からなるタワー(towers)や極大のほとんど交わりがない集合族(mad families)などの極大性条件を満たす自然数のベキ集合の部分集合に焦点を絞って研究を行った。主な研究実績は下記通りである。1.Garcia との共同研究で、ラムズィー理論における Hindman の定理を強制法の理論の観点から調べた。特に、Hindman の定理の証明の基礎となる、almost condensation で順序づけられたブロック列の集合 (FIN) に (P (omega) / fin) の 2 上が完備に埋め込まれるが、(P (omega) / fin) の 3 上が完備に埋め込まないことが無矛盾であることを証明した。また、(FIN) の almost disjointness number が痩集合の最初の濃度以上となることを示した。2.Farkas との共同研究で、自然数全体上のフィラターにおけるタワーを調べ、ダイヤモンドのもとで、タワーを含まない極大フィルターが存在することや、near coherence of filters のもとで、全ての極大フィルターがタワーを含むことを示した。また、多くの定義可能なフィルターにタワーが含まれないが、解析的な P-フィルターについて、連続体仮説のもとでタワーを含むが、Mathias-形のモデルにおいてタワーを含まないことを証明した。3.Brooke-Taylor との共同研究で、Cichon の図式における実数の基数不変量の大小関係についての多くの結果や、いくつかの無矛盾性の証明を、到達不可能基数 kappa に対する一般化されたカントル空間 2 の kappa 上のコンテキストへ拡大した。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 5件) 備考 (2件)
Proceedings of the 13th Asian Logic Conference (Guangzhou 2013), World Scientific, Singapore
巻: なし ページ: 1-28
Fundamenta Mathematicae
巻: 227 ページ: 35-68
10.4064/fm227-1-4
京都大学数理解析研究所講究録
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http://kurt.scitec.kobe-u.ac.jp/~brendle/settheory.html
http://kurt.scitec.kobe-u.ac.jp/~brendle/index.html