研究課題
平成25年度は,平成24年度に引き続き,ポリマー生分解評価の数理的解析法を確立させ,また鳥インフルエンザ抑制に向けた養鶏ファーム管理方法を提案することを目標に,モデリング,解析,シミュレーションによる研究を行うことを計画した。ポリマー生分解に関しては,特に分解率の時間ファクターに関する研究に重点を置いた。分解率は分子量ファクターと時間ファクターに分解される。時間ファクターには,溶存酸素量,温度,微生物個体数などがあるが,特に微生物個体数の場合に着目し,解析を行った。微生物の増殖率は,微生物個体数と微生物が利用可能な炭素源としてのポリマー量に依存するとした。すなわち,微生物個体数が平衡状態を維持するために要する単位個体数あたりの炭素量があり,微生物個体数は,単位個体数あたりの炭素源がこの炭素量より大きいとき増加し,単位個体数あたりの炭素源がこの炭素量より小さいとき減少する。この前提のもと,ポリエチレングリコール(PEG)に関する実験結果を解析に導入し,分解率分子量ファクターと時間ファクターを求めた。分解率分子量ファクターと時間ファクターが得られた後,初期値問題を数値的に解くことによりポリエチレングリコールの推移に関するシミュレーションを行い,数値結果と実験結果を比較した。ポリエチレングリコールに関しては,従来用いられた実験結果ばかりでなく,PEG 6000の微生物コンソーシウムE1の培養前と培養2日後,4日後,7日後の質量分布に関する実験結果も用いた
2: おおむね順調に進展している
バクテリアやカビなどの微生物とそれらの生育に必要となる炭素源との相互関係や,ウイルスやとホストの相互関係のような,微生物と微生物が依存する要因との相互関係を数学の枠組みの中で研究することが本研究の目的である。特に,合成ポリマー生分解プロセスの解析法を確立させ,鳥インフルエンザの養鶏ファーム内での蔓延を抑制するための対策を提案することを目標とした。合成ポリマー生分解プロセスの解析法に関しては,数学モデルに対し,これまでにある程度の結果が得られた。また,分解率の時間ファクターを求めるための逆問題に関する研究も進展した。
平成26年度は,平成25年度までの成果を更に発展させる。ポリマー生分解プロセスに関しては,数学モデルと数値シミュレーションによる数理的解析手法の確立を目標に研究を実施する。また,これまでと同様に,実験結果を解析結果に導入し,逆問題と初期値問題を数値的に解くことにより,解析手法の妥当性を検証する。また,モデリングとシミュレーションによる鳥インフルエンザの養鶏ファーム内での蔓延抑制に関する研究も進めることを目標とする。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
Proceedings of the 12th International Conference on System Science and Simulation in Engineering (ICOSSSE'13), Morioka City, Iwate, Japan, 2013, Recent Advances in Electrical Engineering Series
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http://www.ems.okayama-u.ac.jp/ems_2/watanabe/publications.html
http://www.ems.okayama-u.ac.jp/ems_2/watanabe/presentations.html