研究課題/領域番号 |
24540131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
坂田 年男 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20117352)
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研究分担者 |
角 俊雄 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50258513)
宮崎 充弘 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90219767)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | テンソル正規分布 / テンソル多変量解析 / テンソルの階数 / テンソルの典型階数 / Rによるグレブナ基定 / 計算代数統計 / 量子通信と階数 |
研究概要 |
坂田は岩佐氏およびその他との共同研究において、テンソル正規分布の下での多変量解析の構築に関して、その第一歩となるそのクロネッカーデルター型の共分散行列の推定問題を論じ、最小2乗推定、最大尤度法による推定法を考察した。特に、最大尤度法において、行列微分法および歪対称行列空間から直交行列の空間への指数写像を用いた最適化を論じ、シミュレーションを行い、成果を8-th world congress in probability and statistics およびIMBIC on Mathematical Sciences for Advancement of Science and Technology,2012において講演発表した。また、角ー坂田ー宮崎はテンソルの階数問題に関してmxnx(m-1)n型のテンソルがm<=r(n),r(n)はHurwitz-Radon 関数のとき、次実数体上で(m-1)n,m(n-1)+1の二つの典型ランクを持つことを示し、Linear Algebra and Its Application, vol438へ投稿し掲載された。さらに、宮崎ー角ー坂田は列絶対全階数テンソルの概念を導入し、mxnxpテンソルが実数体上で複数の典型階数持つための十分条件に関する成果を得て、国際会議ims-APRM2012で講演発表した。また、坂田ー角ー宮崎ー前原は4x4x3絶対正則テンソルの探索において直交行列のケーリー形式による表現を用いた探索手法を提案し、具体的に絶対正則なテンソルを作成する新たな方法を与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題は(1)テンソル正規分布に基づく多変量解析の構築と(2)テンソルの階数問題の解明であるが、それぞれの課題について一定の成果を挙げ、国際会議で講演を行なっている。また、(2)のテンソルの階数問題では、実数体上で典型階数を決める困難な問題に 全体正則テンソルや列全階数テンソルという概念を自ら構築しそれらを駆使して成果を上げ、LAAという権威ある雑誌に掲載されたり、ims-APRMという大きな国際会議で成果発表している。これらにより、研究は順調に推移しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
テンソル正規分布の多変量解については、共分散推定に関する成果をもう一度見直しまとめなおし、さらに、変数の個数の大きい場合を問題を考察する。またテンソルの因子分析の考察を行う。 テンソルの階数問題については、国際会議で発表した宮崎ー角ー坂田の成果を論文へ掲載するようにまとめて投稿する。また、これまではmxnxp型の3テンソルに傾注してきたが 2x2x2x2型の4テンソルの階数問題についても考察する。さらに、統計ソフトによる多項式演算をRで行うようパッケージを完成させる。これは計算代数的計算を行う必要があるために、ソフト間の移動の時間の節約をもたらし、研究効率を上げるために有効である。
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次年度の研究費の使用計画 |
分担者宮崎はH24年度分担金のうち56478円を残したが 宮崎ー角ー坂田が出している成果を まとめて投稿し、H25年度に掲載された場合に論文掲載費用としてそれを使用予定である。 それ以外は申請時の計画に沿って使用する予定である。
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